短編2
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私の家での話。

2年くらい前から、居間とガラス戸でしきっただけの物置部屋に、不定期だが人影らしきものが通りすぎるのを見るようになった。

向かう方には仏間がある。

それと関連があるかは解らないが、同時期から風呂場で小石を壁に当てられているような音や、雨の日に限り動物が体をかくような音が一定のリズムで聞こえる。

つい最近だと、人影が髪の長い女の頭らしいことがわかってきた(体が見えないため)。が、特に何をするわけでもなく通るだけなので気づいていないふりをしていた。

そんなある夜中、私は物置が見える居間で、テレビゲームを楽しんでいた。

ふと、なんとなく物置を見てしまったのがいけなかった。

用事がない限り隣の物置は電気をつけないため、真っ暗である。

それが、物置側のガラス戸の上面にぺたりとあの女の顔がへばりついていた。

いつもはすーっと通るだけの女が、今日に限ってこちらに頬を押し付け、凝視しているではないか。

女の顔は色が青白く、キツネのお面のようにつりあがった目で、口は見当たらなかった。

不甲斐ないことに、あまりの恐怖に声も出ず目も離せなく硬直状態になってしまった。

しばらくすると女は暗闇に溶けこむように消えてしまった。

こういう類のものは信じたくないものの、見てしまったので信じないわけにはいかなくなってしまった。

今も現在進行形で、解決してません。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー バニラッテさん  

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