中編4
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水頭症の子供

これは昭和60年頃の夏にあった経験です、当時高校生だったのですが、

最初にさらに遡った小学生1年生頃の出来事から話します、当時はゲーム器もないので、もっぱら外で遊ぶのが普通でした、何人かの友達と遊ぶ中、最近近くのアパートに越してきた、若い母親と子供が来て、一緒に遊んで欲しいと頼まれました、自分も友達も快くひき受けて一緒に遊びました、その子はまだ幼稚園位の年齢で何か病弱な感じがして妙に頭が大きいと感じていましたが、子供の頃のことなので気にないで遊んだ事を憶えています

記憶では半年も経たない頃には、一緒に遊ばなくなっていたと思います、

自分の母からは病気で入院したらしいとの事を聞きました、

そんな出来事も忘れた、昭和60年頃の春頃、近くのアパートに同じ学年のTが母と2人で、引越てきました、クラスが別で話す機会もなかったのですが、住むところが近く、

何よりもバイクが好きな同士だったので、直ぐに友達になりました、

時期は春から夏になり、好きなバイクの購入の為、夏休みアルバイトの計画立をたてに、

Tのアパートに行きました、当時Tの母親は離婚したばかりなので、家計の為仕事の帰りが遅く、何時も10時頃に帰宅していました、

バイク雑誌を広げながら、アルバイト先は何処にするか、ツーリングは何処に行くかと

雑談をしていたのですが、何か妙に落着かない?

落着かない原因は台所や隣の部屋からの物音でした、そんな自分の気持ちを悟ったのか、

Tが真剣な顔をして話しかけてきました、

お前確か幽霊とかUFOは信じないって、言っていたよな、

即答で自分は答えました、幽霊は気のせいで、UFOは何かの見間違いだとwww

Tが更に言いました、ここでうちのオカンが見たって言うんだ、子供らしい、

自分も見たわけではないけど、気配を感じるとも言いました、

当時は幽霊もUFOも信じない自分でしたから、真剣な顔をして話す内容に、

大笑いでしたwwwwwww

話した本人Tが大激怒したので、何とかその場を宥めて、機嫌をよくした頃に、

Tの母親が帰ってきました、

Tがすかさずここ子供の幽霊が出るよなと母に聞くと、

うん、・・・寝ていると顔をのぞき込む様に見ているのよと答えていました、

そんな親子の会話を聞いているうちに笑いがこみ上げてきたところ、

またTが激怒しそうだったので、宥めながら話しをして行くうちに、

泊まって真偽を確かめる事になりました、

狭いアパートなので雑談をしながらそのまま卓袱台に足を突っ込む様な姿勢で、

寝てしまいました、

時間は定かではないのですが、明け方頃だと思います、一匹の蚊の羽音で目が

覚めたと同時に、卓袱台の上に置いてある菓子の袋から音がしているのに気が付きました、

さてはTが起きだして菓子でも食べているのかと思い、のぞいて見ると・・・

幼い子供が菓子の袋に手をかけていました、

瞬間に特徴あるその容貌から昔、ほんの少しの期間だけ遊んだ、

病弱な子供だと直ぐに分かりました、

然も容貌と全体の感じが妙に・・上手く表現出来ないのですが、あえて言うと、

妖怪じみた感じでした、

自分がのぞき見る姿勢で固まっていると、子供と目が合ってしまいました、

その瞬間!

信じられない事に子供が卓袱台を衝きぬけて迫ってきました!

ガガガガガッガ←音はしなかったと思います

アッと思った時には顔が目の前にありました、

記憶はそこまでで多分失神して気を失ったのだと思います、

実はTから子供の幽霊の話を聞いた時から予感はしていました、

病弱な子供が入院した半年後には、子供の両親はアパートから引越してしまったこと、

それとなく聞かされた病弱な子供の死、子供の両親の離婚、以前住んでいたアパートの住人からの噂、すぐに引越すアパートの住人達、

翌朝、Tの幽霊は出たかの問いかけもかまわず、

自宅に戻り母親に以前住んでいた子供の事を聞いてみました、

分かった事は子供の病気は水頭症だとの事、子供の墓は先祖の墓とは別にされていること、

誰も供養をしていないらしいとの事でした、

また子供には惨い話なのですが、誰が子供の遺骨を引取るかでも揉めていたそうです、

あれから20年以上たちますが、まだそのアパートはあります今は、住人は住まず、

ちかじか取り壊して、建売住宅が建つそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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