短編2
  • 表示切替
  • 使い方

帰らない…

この話はご存知の方もいらっしゃるでしょう。

ある一人の女性のお話です。

その女性も通っていた学校を卒業し晴れて社会人。

実家を離れ一人暮らしを始めました。

初めての一人暮らしにワクワクしながらも引っ越しの荷物も片付かないままに明日は初の出社日です。

緊張と不安の中一日目の仕事は終わりました。

すると同じ部所の先輩達が歓迎会をしてくれるとのことで彼女は飲み会へ。

楽しい時間はあっと言うまに過ぎ夜も遅くなったので今日はお開き。

彼女は一人自分の住むアパートへ向かいました。

明日も仕事だし今日はもう寝ようとこたつに横になり暫くするとウトウトし始めました。

するとアパートの外から「ゆきちゃん…ゆきちゃん…」と声がするのです。

しかし彼女の名前はゆきでは有りませんし酔いも手伝ってか差ほど気にもせず眠ってしまいました。

そしてまた次の日仕事終わりに先輩達と飲みに行き帰りが遅くなってしまいました。

昨日と同じく彼女はこたつに入って横になって暫くするとウトウトし始めました。

するとまた外から「ゆきちゃん…ゆきちゃん…」と誰かが読んでいるのです。

きっとペットの犬の名前でも呼んでいるんだろうと彼女は思ったそうです。

しかし…それから暫くの間外では「ゆきちゃん…ゆきちゃん…」と呼び続けて居るのです。

さすがにおかしいなと思った彼女が窓の方を見るとそこに窓ガラスに張り付いてこちらを呼び続ける女の姿が…

驚いた彼女はこたつに潜り込み震えていました。

そしてあることに気付きました。

彼女の部屋は一階の通りに面した場所なのですがアパート自体が塀の上に建てられおり通りからは中は覗けないのです。

勿論塀の上に人が立つことなど出来ません。

その時彼女は思ったそうです…この世の者ではないと…

そのことに気付いた彼女は震えながらお経を唱えていました。

しかし外の女は相変わらず呼び続けています。

そして女は玄関から部屋の中へ…

玄関の鍵はオートロックなので普通ならば入れないはずなのですが…

そして声の主はジワジワと彼女に近づいてきます。

彼女はと言うとこたつに潜ったままお経を唱え続けるしか有りません。

震えながら何度も何度もお経を唱え続けました。

それでも声の主は近づいてきます。

そして遂に主の膝が彼女の頭の所まで来ました。

そして一言…

「そんなこと言ったって帰らないよ」

怖い話投稿:ホラーテラー LARKさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ