短編2
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タクシーにて

雨がしきりに降る夜だった

仕事で残業のため、会社を出たのが深夜0時ごろだったと思う

普段は駅までバスを利用するのだが、こんな時間じゃバスはない

仕方ないから慣れない道を一人寂しく歩いていた

すると途中で会社の同僚とバッタリ出くわしたのだ

こんな時間にお前も残業か

私たち二人は人気のない道を急いだ

と、そこに運良く一台のタクシーが現れたのである

私たちはタクシーをとめて乗り込んだ

運転手の他愛のない質問や同僚との会話

ホッと一息つき、あとは電車に間に合えば良いだけだ

そんな時だった

車のラジオからニュースが流れていた

『今日未明、東京の○○で男性の遺体が発見されました。警察によりますと、死後5日は経過しており身元確認を急いでいます。』

運転手「ぶっそうな世の中ですね。これじゃ怖くて夜中に出歩けませんよね」

同僚「ほんとですよ。もしかしてまたあの連続殺人事件なのかね?」

私「そんな事件あんの?」

同僚「知らないんですか?無差別で殺してるらしいんだけど、ある共通点があって、なんでも雨の日に起こるらしいよ。それに5日前って言ったらちょうど雨が降ってたじゃん!」

私「へぇー。やけに詳しいね」

同僚「おれそういうの好きだからさ」

私「なんか怖ぇなぁ」

運転手「そしたら車降りた後気をつけてくださいよ。今日は雨ですから。それにしても、刃物で刺し殺すなんてえげつないですよね」

私「なんで同じ人間を殺すんだろうね」

同僚「ほんとほんと。それにもし俺なら、5日で見つかるようなとこに隠さないし」

私「へんなこと言うなよ」

ところが私はあることに気付いてしまった

同僚「どーしたんだよー?顔が真っ青だぞー」

『さきほど身元が判明したもようです。東京都○○に勤める26歳○○という男性です。最後に会った会社の方によりますと、○○さんは「タクシーで帰る」と会社を出たあとから、行方がわからなくなっていたそうで』

私は確信してしまった。

だって…こいつさっき…

〜あなたには真実がみえましたか〜

怖い話投稿:ホラーテラー 猫のなかの猫さん  

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