雨がしきりに降る夜だった
仕事で残業のため、会社を出たのが深夜0時ごろだったと思う
普段は駅までバスを利用するのだが、こんな時間じゃバスはない
仕方ないから慣れない道を一人寂しく歩いていた
すると途中で会社の同僚とバッタリ出くわしたのだ
こんな時間にお前も残業か
私たち二人は人気のない道を急いだ
と、そこに運良く一台のタクシーが現れたのである
私たちはタクシーをとめて乗り込んだ
運転手の他愛のない質問や同僚との会話
ホッと一息つき、あとは電車に間に合えば良いだけだ
そんな時だった
車のラジオからニュースが流れていた
『今日未明、東京の○○で男性の遺体が発見されました。警察によりますと、死後5日は経過しており身元確認を急いでいます。』
運転手「ぶっそうな世の中ですね。これじゃ怖くて夜中に出歩けませんよね」
同僚「ほんとですよ。もしかしてまたあの連続殺人事件なのかね?」
私「そんな事件あんの?」
同僚「知らないんですか?無差別で殺してるらしいんだけど、ある共通点があって、なんでも雨の日に起こるらしいよ。それに5日前って言ったらちょうど雨が降ってたじゃん!」
私「へぇー。やけに詳しいね」
同僚「おれそういうの好きだからさ」
私「なんか怖ぇなぁ」
運転手「そしたら車降りた後気をつけてくださいよ。今日は雨ですから。それにしても、刃物で刺し殺すなんてえげつないですよね」
私「なんで同じ人間を殺すんだろうね」
同僚「ほんとほんと。それにもし俺なら、5日で見つかるようなとこに隠さないし」
私「へんなこと言うなよ」
ところが私はあることに気付いてしまった
同僚「どーしたんだよー?顔が真っ青だぞー」
『さきほど身元が判明したもようです。東京都○○に勤める26歳○○という男性です。最後に会った会社の方によりますと、○○さんは「タクシーで帰る」と会社を出たあとから、行方がわからなくなっていたそうで』
私は確信してしまった。
だって…こいつさっき…
〜あなたには真実がみえましたか〜
怖い話投稿:ホラーテラー 猫のなかの猫さん
作者怖話