短編2
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今もあるマンション

『ネットの心霊サイト』を投稿させていただいたものです。思い出してみると意外と不思議な現象に遭遇していることに気づいたので、続けて投稿します。

あれは、小学校4年生のとき。

親の仕事の関係で引っ越すことになった自分は

住み慣れた一軒家からちょっと広めのマンションの一室に移り住んだ。

この部屋はなかなかのお宝物件で広さの割には家賃が安く

家族全員が一部屋とっても空き部屋ができるほどだった。

安さの理由としては

・一階

・日当たりが悪い

が当てはまると思うのだが

そこまで気になるほどのものでもなかったのでそれなりに余裕のある生活をしていた。

それから半年ほどして翌年。

だんだんと、けれども確実に自分の体や生活に不思議といろいろな不具合が起き始めた。

まず、持病だった喘息がほぼ毎日のように起こり始める。

学校や習い事ではなぜか避けられるようになり意味不明な迫害を受ける。

楽しかった生活が一転して嫌な日々になった。

この辺りで自分は自分でその部屋に不気味な『何か』を感じ始めていた。

初めに気付いたのは学校を休んでいたある日の昼下がり

日当たりは悪い部屋なのだが、ある時間帯だけ

外から一番奥の部屋の入口まで光が差し込む。

何気なくその光の先を見たとき

自分は恐怖で愕然とした。

一番奥の一番日当たりの悪い部屋のドアに大きな人の“顔”が浮かび上がっている。

その顔がこちらをじっと見つめているのだ。

恐怖のあまりリビングと廊下をつなぐドアを閉めテレビを見て気を紛らわせてみたが

どうしても背中に視線を感じてしまう(テレビ 自分 ドア 廊下 の形なので)。

もうダメだと思った自分は

「あれは丸が4つで顔に見えただけだ、汚れだ」

と自分に言い聞かせ、そのドアを拭くことにした。

とりあえず明るいうちにと一心不乱でドアを拭き続けていた。

しっかり拭いてみると予想通り顔は消えた。

次の日以降光が差し込んできても顔は浮かびあがらなくなった。

「やはりあれは汚れだったのだ」

ホッとした自分はこの一件を心の中に留めた。

…不思議なもので人間は4つの点だけで顔を思い浮かべる。

そうしていく中で脳内で怪物を作り出すのだろう。

想像力というのは素敵な力だけれども、同時に怖い力でもあるのだなぁと、

そんなことを考えていた…

が、それは一時の安心に過ぎなかったことを

数日して知ることになる。

続く?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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