短編2
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飼い猫3

続きです。

車から離れて路肩で気持ちを落ち着かせていると、友達カップルの乗った車がいきなり猛スピードでバックしたかと思うとそのままスピンして正面が電柱に激突し止まりました。

一瞬の出来事で何がなんだかわからなかったんですが、とにかく車へ近付くと二人とも意識がありました。

しかし二人ともパニックでとても話せる状態じゃなさそうだったので、私の親を電話で呼んで現場に来てもらい色々と処理してもらいました(私は何をすればいいのかわからなかったので…)。

警察も来て軽く聞かれた後、二人はそれぞれ打撲やうちみに出血、手首の捻挫など怪我をおっていたので病院に運ばれました。

その後、怪我はすぐに良くなったそうですが精神的に暫く病んでいたそうで会うのに少し時間がかかりました。

事故から1週間程たち、少しよくなったらしい友達の家にお見舞いに行ったんです。

そこで彼女から事故の詳細を聞いたんですが、信じがたいものでした。

あの日私が気分が悪いと言って車から飛び出した後、目の前に両後ろ足を引きずった猫が現れたそうです。

その猫が低く唸り歯を剥き出しながら前足だけでズルズルと近付いてきて、フロントガラスに飛びかかってきたので驚いて彼氏は車をバックさせた…と。

その瞬間目の前のガラスは血だらけになり、振り落とそうとしてハンドルを切ってスピンしたそうです。

そしてその猫は、以前その道を通った時に自分達がひいてしまった猫だ…と言いながら謝り続けていました。

それがトラだと確信していた私は、ひき逃げした事実に怒りも覚えましたが事情を話した私にも泣きながら土下座し謝る友達を怒ることは出来ませんでした。

その後三人でその現場へ行くと草むらの中に変わり果てたトラがいました。

形ではもう猫かどうかの判断もつきませんでしたが私が昔トラに首輪がわりでつけたリボンがあったので間違いないです。

それからはあの場所を通っても何ともないです。あれは私に気付いて欲しくてトラが出していた精一杯のSOSだったんだと思います。

ただ今もごくまれに急な発熱や原因不明の足の痛みに襲われるのでそういう時は気を付けて過ごし、あまりに症状が重いと学校を休んでいます。

そしてやはりそういう日には何か起こるんです。トラが守ってくれてるのかなって勝手に思ってます。

長くなってすみません。

読んでくれてありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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