短編2
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田舎なんて大嫌い

オレは田舎が大嫌いだ。

あるものなんてさびれた商店や死にかけの老人、どこまでも続く田んぼや畑、畑、畑…そして農作物を荒らす野生動物くらいだ。

今、高校2年生のオレは卒業したらゼッタイに都会に出て、こんな田舎とおさらばすると決めていた。

そんなことを考えながら自転車を走らせる学校からの帰り道。

気付けば目の前に木の枝が転がっている。考え事をしていたために避けきれず、ひいてしまった。

するとその瞬間、「グニャ」っと嫌な感触が…

木の枝だと思っていたソレはヘビだった。

振り向くと、真っ赤な血がヘビのまわりに広がっている。「死んじゃったかな?」

ヘビの怨みは恐ろしいと昔から言い伝えられているのは知っていたから、気分はかなりブルーになったが、かといってどうすることもできず、無視して家に帰った。

ある日、オヤジから頼まれ事をされた。ここは田舎だ。家や農作物に危害を及ぼすネズミがうじゃうじゃいる。そいつらを捕獲するための罠があちこちにしかけてある。

それを全てチェックして、捕まえたネズミを処分しておいてくれとのことだった。

気は進まなかったが、退屈していたので引き受けることにした。

ネズミがかかっている罠を一ヶ所に集め、溺死させるためにタライに水をためる。

そこにネズミを沈めようと罠をひとつ手にすると………なぜだろう…ネズミが無性にうまそうに思えてくる。

周りに人がいないのを確認してから、罠のフタから手を突っ込む。抵抗されるのもかまわず鷲掴みにして頭からかじりついた。

するとどうだろう。ネズミがこんなにうまいとは知らなかった。いや、むしろ今まで食べたものの中で一番うまいとさえ思った。

気付けばそこにいたネズミをすべて平らげてしまった。最後の方はほとんど丸のみだった。まるで、ヘビのように………

それから毎日、罠をチェックしては人目を盗んでネズミを生きたまま食べた。

そして決心した。

この土地から離れてしまっては好きなだけネズミが食べられなくなってしまう。「オヤジ、オレ農家継ぐわ」すっかり都会に出ていくと思っていたオヤジは涙を流して喜んだ。

あとひとつだけ気掛かりがある。農家はたいていネズミ退治のためにネコを飼っている。

ヤツらに活躍されてはオレの分け前が減る。手始めに我が家の飼いネコを食った。

オレは狂喜した。ネズミとは違ううまさがある。

オレは心の底から思った。「田舎はいいところだぁ!!!」

怖い話投稿:ホラーテラー 「いたずら」作者さん  

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