『テレビ』を投稿させて頂いた者です。
今回はうちの若社長から聞いた話です。
若社長が参加した、酒の席で同業の友人が話していたそうです。
仮にAさんとしておきます。
一年程まえから、お付き合いのあるお客様宅での出来事だそうです。
元々、家電量販店で購入していたそうなのですが、ご主人が亡くなり、奥さんと娘さんだけになり、電球交換等が大変なので、ちょくちょく注文が、来るようになったそうです。
ただ、気になることがあり、奥さんがことある事に
「お父さん」 「お父さんに聞かなきゃ」
など 言われるそうです。
Aさんは、ご主人が亡くなったショックで、精神的に参っているんだなくらいに思って、話をあわせていたそうです。
ある日、奥さんから
「お父さんが、テレビ買い替えようかと言ってるから、カタログ持ってきてね。」
と電話があり、早速お伺いしたそうです。
お客様宅にお伺いして、奥さんと娘さんと話をして、ある程度決まったそうですが、奥さんが
「お父さんにこれでいいか? 聞いてくるね。」
と寝室にカタログ持って行ってしまい、娘さんは苦笑いしてたそうです。
暫くすると、奥さんが戻って来て
「お父さんは、せっかくだから、もうひとつ大きいのが、いいって言ってるのよ。」
と、娘さんも困った顔しながら
「それで、お願いします。」
と決めて頂いたそうです。
配達の日は、翌日から親戚が法事で来て、翌々日の午前中で帰るので、午後からとなったそうです。
配達の日に、お伺いすると、奥さんが1人でいらっしゃって、娘さんは親戚の方を見送りに行っているとの事でした。
Aさんは作業に取り掛かり、テレビを置いた所で、視線を感じたそうです。
あたりを見回すと隣の部屋との境の引き戸が、10センチ程開いていて、片目だけが覗いていたそうです。
Aさんは親戚の方が、まだいらっしゃったのかなと思い
「こんにちは、お世話になっております。」
と、愛想よく挨拶したそうですが
奥さんが
「駄目じゃない、お父さん寝てなきゃ」
と、その人を、違う扉から隣の部屋に入り、奥に連れて行ったそうです。
Aさんはポカーンとしてましたが、『親戚の方が付き合ってあげてるのかな? 大変だなー』と思い、気にしなかったそうです。
が、
暫くすると、娘さんが帰ってきて、
「お母さん、おじさんたち、みんな送ってきたよ」
と
Aさんは、『じゃあ、さっき覗いていたのは誰だ?』と思い、背筋が寒くなって行ったそうです。
その後も、相変わらず、奥さんは「お父さん」といい、 娘さんは苦笑いしてるそうです。
Aさんは酒の席で
「覗いてたのは、やっぱりお父さんだったのかな? まだあの家にいるんだろうな」
と行っていたそうです。
文才なくて、怖さ伝わりにくいですが、 若社長の話し方では、かなりゾクッとしました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話