短編2
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変な女の子

中学生の頃、クラスに少し変わった女の子が居た。

その子は独り言が多く、誰かに喋りかけるような小言をしきりに言っていた。

卒業間近になり、席が隣同士な事もあって彼女に思いきって聞いてみた。

「Aさんって独り言多いよな。それ癖?」

「別に」

何回か聞いたけど、はぐらかすばかり。

その言い方や冷たい雰囲気が、今思えばエリカ様そっくりと形容出来る。

顔は似てないけど。

とにかく少し変わっていて、イジメられてる訳じゃないのにいつも一人で行動してた。

隣同士になってから更に独り言が多くなったように感じ、気がつけば卒業式当日。

俺が友達と話てたら、背後から彼女の声が聞こえた。

小さくても俺の耳にはちゃんと聞こえた。

「またね」と。

俺が振り向くと彼女はもう人垣の向こうだった。

誰かに別れの挨拶かな?と、少し気にとめた程度で、その時はすぐに忘れた。

それから2年程たって、彼女とバッタリ会った。

相変わらず独り言ぶつぶつ言ってるけど、少し角が取れた感じで雰囲気が和らいでた。

気になったついでに聞いてみたら凄い事実がわかった。

彼女は卒業後しばらくして事故にあったらしい。

意識不明に陥って軽い記憶障害も起こったが少しづつ回復していった。

その日から、周りから見てもわかる程に性格が一変した。

だが驚いたのはそこじゃない、彼女は俺の事なんか殆ど記憶になかったらしい。

けど、俺の守護霊から俺の事を今聞いて繋がりがある事を知ったらしい。

彼女と席が隣同士だった時、独り言が多かったのは守護霊と話をしていた事。

独り言の原因は彼女が霊的な者と会話していた事だった。

俺は、にわかには信じられなかった。

けど、俺しか知らない事をその場で言い当てられた時はさすがに信じるしかなかった。

その日以来、彼女とは会ってない。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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