中編3
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セカンドシーズンvol3

月明かりが、大輔の横顔の輪郭を映し出した。

ママはもうじき死ぬ。

その位僕には分かっている。

もし神様がいて、この天変地異も神様の仕業なら、これは啓示なのだ。

ママを殺すこと。

これは前から用意していた選択肢だった。

しかしその必要はなくなった。

世界は壊れ、そして光が差した。

立花さんは、どうやら瓦礫を直撃したようだ。

彼の魂は、もうこの世にはない。

これがいくら大規模な地震だといっても、他国まで壊滅状態とは考えにくい。

きっとどこかの合衆国が、救助を出してくれるだろう。

もともと日本は二つのプレートの境に位置しているんだ。

どんな大地震が起こったって不思議じゃない。

ピンチをチャンスに変える、それは陳腐な言葉のようだが、この状況を良く言い表していた。

そう、僕は生き残り、選択肢を与えられた。

自己満足の愛はもううんざりだ。

最善の選択をし、最善の行動を取った。

それまでだ。

とにかく選択肢は一つ。

他の大人と合流すること。

ママに頼ることはできない。

できれば僕を知らない人間がいい。

この施設の大体の地理は頭に入っていた。

さっきから何度もいろいろいじったけど、エレベーターは故障している。

階段で行くしかない。

しばらく降りると視界が開け、外の様子が見えた。

まあ大体予想の通りだ。

カオス。

この世界に生きる殆どの人間は公私ともに秩序の尖兵であり、それは周りの大人も例外ではなかった。

だからこそ、一度できた力関係を覆すことができない。

システムに依存し、変化を拒み、そして他の存在を拒む。

それが秩序。

腐ったシステムを変えるには、カオスが必要なのだ。

底なしの混沌。

救済はその先にある。

道路は地割れを起こしているところもあれば、建造物がほとんど無事なところもあった。

なるほど、全てが崩壊したというわけではないらしい。

となれば、僕以外の生存者がいる可能性は、これでますます強くなった。

脱出するのだ、日本から。

不意に、犬の鳴き声が聞こえた。

犬は僕の方へ走りだし、続いて僕の方を照らす光があった。

人間だ。大人だ。

と、ここでいったん期待は裏切られた。

その男は地上で最も僕が軽蔑する人種の一人であり、俗に言う「ホームレス」という奴だった。

あまり役に立ちそうとは思えない。

「坊主、どうしたんだ?」

「あのね、地震でね、建物が崩れちゃって・・・・。気づいたらここにいたんだ」

「お母さんは?」

「分かんない・・・・」

ホームレスの男は、しばらく辺りを見回し、そしてさっきまで僕がいた建物に目を付けた。

「あのへんはどうかな・・・・」

最悪だ。勘だけはいいらしい。

「ああ、あっちは建物がどんどん崩れてんるんだ。

行ったらおじさんも死んじゃうよ!!」

しかしホームレスは返事をせず、建物の方へ歩を進めた。

最悪だ。こんな低俗な人間の手で、僕の計画が邪魔されるなんて。

虫唾が走る。

「やめなよ、おじさん!!」

ホームレスは口を閉ざしている。

くそ、何とか言ってみたらどうなんだ。

しまいには殺意され抱くようになった。

出来れば力ずくでこの男を止めたかったが、子供の僕には無理だろう。

仕方なく、僕はこの男についていくことにした。

ちょっと昨日から寝てないんで、続きは少し後に書き始めます。

ガッツいちもつさん、待っていてください。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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