短編2
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恨まれた友人 その5、

実家(神社)には年中通して人形が届く。ホームページを作ってからは日本各地から届くようになった。

酷い事に着払いで届くこともある。親父がキレる原因だ。

人形とは察しの通りいわく付きの人形の事である。

数が多いのでまとめて供養するのだが、それまではミカン箱に詰め込んで空き部屋に突っ込んでおく

あー確か廊下の右の部屋はアレだよな~人形。やだな~たまに本物あるからな~ てか、もうラップ音してるし

公園のベンチでトイレから戻ってくるAを待つ俺 Aが座るのを待ちきれずに口を開く

俺「で、どうしたの?」

A「ん~走り抜けた。もう、全力疾走。廊下の端まで25メートル」

俺「…それがなんでハンチングが離れた原因?」

A「霊ってのは案外シンプルなんだよ 力の上下関係とかさ。自分より強いものは避けたいって気持ちとかさ、すげーシンプル」

俺「追って来れなくて諦めた?」

A「てか、帰ったんじゃね?元居た所に」

俺「言い切れんの?あんなに怒ってたのによ」

A「もう一週間だぜ?アパートには居なかったし」

俺「そっか……今更まあ、なんだけど一度くらい見てみたかったな~ハンチング」

A「ジャジャーン」そう言うとAは鞄から封筒を出して俺の前でちらつかせる

俺「何?」

封筒からティッシュペーパーで包んだ四角い物を取り出すとそれをゆっくり開いた

A「実はな、親父の級友だったらしい。視た親父も最初は忘れてた様だったけどハンチング帽が気になってな。探したんだと、アルバム」

三枚の白黒写真がある。 高校の文化祭の集合写真 昭和42年と書いてある。 一人だけ真ん中でおちゃらけてる男が目立つ。

それと町内会の寄り合いの写真が二枚 町内会の写真にはいずれも中心にハンチング帽の男が鎮座している

俺「…いい人そうだな」

A「クラスの人気物。若くして町内会の役員に抜擢。写真の隅のモヤシみたいのは親父……せつねー」

俺「思ってた以上にイイ男だな…負けたわ」

A「町内でも有名人だったらしいよ。25ん時結核で亡くなったんだってさ。お前が連れて来た療養所跡地で」

俺「そっか…」 自然と写真に向かって手を合わせて深々と頭を下げる俺

沈黙の時間が流れる。そして沈黙を破ったのも俺

俺「えっ?」

A「えっ?」

俺「事故死だろ?」

A「はあ?」

俺「言ったろ?」

A「言ってねーよ」

俺「A兄も言ってたよ」

A「?…事故死って?」

俺「いや、あれ?」

ラストへ

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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