短編2
  • 表示切替
  • 使い方

祖父の事

初めにありきたりでつまらない話だと思いますが良かったら読んでみてください。

私は一昨年の冬に祖父を亡くしました。

12月23日。クリスマスイブの前日でした。自転車で転倒、事故を起こしてから具合が悪くずっと病院のベッドで一日をすごしていました。

亡くなった年の夏に会った頃にはすでに言葉を発する事も出来なくなっていました。ただ表情から私たちが会いに来た事を喜んで居るのがうかがえました。

亡くなったと連絡を受けてから自分以外の家族全員は翌日すぐに飛行機で駆けつけました。

私は仕事の都合でどうしても行けず、家に残ることになりました。

ひとしきり泣いて、夜床につき「おじいちゃん、夢で良いから会いたい。出てきて」と願いながら眠りました。

ところが何日待っても夢に出てきてくれる事はずっとありませんでした。

春先になり私はお墓参りだけでもしたいと、休みをとって祖父の家に向かいました。仏壇に向かい「おじいちゃん、帰ってきたよ。明日の朝お墓に行くからね」と線香をあげてその日は眠りました。

次の日の朝、朝食を食べた後直ぐにお墓参りをしました。

「死に目に会えなかったしお葬式もでれなくてごめんね」

そしてその後祖母は「病院に行くからひとりになるけどゆっくりしてなさい」と家を出て行きました。

しばらくの間こたつにはいっていると眠くなってきました。をこっくりこっくりとしていると磨り硝子の向こうに人影が見えました。こちらの様子を伺うかのように屈むような姿勢でこちらを見ていました。

「あれ…帰ってきたのかな」

そう思いながら私は眠ってしまいました

ガラガラと玄関から引き戸をあける音と「ただいま~」と祖母の声が聞こえて私は目を覚ましました。

「あれ?さっきのは…」

はっきりと目を覚ました私はその光景を思い出し、祖母に話をすると

「ああ、じいちゃんが帰ってきたのが嬉しくて見にきたんやろねえ」

と言っていました。

はっきりと顔を見たわけでも、声を聞いたわけでもありません、

けれど思い返してみて、磨り硝子のむこうに立っていた人は祖父だとしか思えないのです。

読んでいただきありがとうございました。私が体験したのはこれだけです。

つまらなくてすみません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ