短編2
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派遣会社

明日の合コンの事についてAに電話をした。

プルルルル

ザザッ

プルルルル

ザザザザッ

プルルルル

ザザザザザザザザザザザ!

ちゃ~ちゃ~ちゃ~ちゃ~

!?

呼び出し音が突然ノイズと共にベートーヴェンの『歓喜の歌』に変わった。

「なんだこれ?」

ガチャ

「はい、ザザッ、こち、ザザザザッ、み派遣会社です。」

ノイズでよく聞き取れなかったがどうやら何処かの派遣会社に繋がったようだ。

「ご依頼ですか?」

「すいません。間違えました。」

「ご依頼ですか?」

「いや、だから間違えて。」

「ご依頼ですか?」

もしかしてオレの声聞こえてない?

「ご依頼ですか?」

「・・・はい。」

「ありがとうございます。」

聞こえてんじゃねぇか!

「では、どちらに派遣すればよろしいですか?」

どちらにといわれても・・・

「じゃあ、Aのところで。」

Aに電話してここに繋がった訳だしと、Aの名前を出してみた。

「分かりました。では明日にでもうちの社員を向かわせます。」

ガチャ

電話は切れてしまった。

「何だったんだ・・・。」

その後、Aには電話をせず、眠りについた。

次の日、駅でAと合流し歩いて合コン会場へ向った。

途中、信号待ちをしていると昨日の電話の事を思い出し、Aに話してみた。

「バカ!変な勧誘とか来たらどうすんだよ!」

「大丈夫だよ。名前しか教えてないんだか・・・ら。」

A・・・

なんで車道に飛び出してんだよ!

ドンッ!

鈍い音が響いた。

Aが倒れている。頭から血を流し、手足はありえない方向に曲がっていた。

吐き気が襲ってきた。

どうなってんだよ・・・

なんでだよ!なんでなんでなんでなんで・・・

耳元で声がした。

「ご依頼ありがとうございました。A様の魂は我々が責任をもって地獄にお送り致します。」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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