短編2
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派遣会社3

マンションの近くに新しく出来たカレー屋で一番安いカレーを注文した時だった。

電話がなった。

会社からだ。

「お仕事です。」

担当の女性は依頼人の名前、仕事内容、時間と場所を丁寧に説明し電話を切った。

出て来たカレーを急いでかき込み、仕事先へむかった。

今回の仕事先である公園に到着し、周りを見渡すと女がベンチに座っていた。

あの女か。

そう思い近付こうとした時、男がやって来た。

男は女に近付くと会話を始めた。愛の告白かと思った。

よく見るとその男は先日、知り合いの社員が取りに行った女の恋人ではないか。

なんだ。最近の若いヤツは彼女が死んだらすぐに別の女にうつるのか。と呆れてしまう。

「黙れ!」

男が叫ぶと女の首を締め始めた。

ラッキー!と思った。仕事の手間が省けたのだ。

男は首から手を離し女を見下ろしている。

男に礼を言って帰ろう。そう思っていた時だ。

突然男は女の死体を抱きかかえ公衆便所の方へ走って行った。

急いで後を追う。

男は公衆便所に入ると女の死体を個室の一つに隠しどこかへ行ってしまった。

バカだな。こんな所に隠したってすぐにバレるのに。

そう思いながら仕事をこなし公園を出ようとしたその時だっだ。

男が戻って来たのだ。

男の乗っている自転車の籠には大きな紙袋が入っており、中から何かの柄が飛び出していた。

自転車から降りると男は紙袋を掴み公衆便所へと走って行った。

気になったので後をつけてみる。

中に入ると男はいなかった。

恐らく女の死体がある個室に入ったのだろう。

音が聞こえて来た。木材を切るような音だ。

どのくらいの時間が経ったのだろうか。男が出て来た。

男はホースを蛇口につなぎ個室の中に水をまき始めた。

なるほど。死体をバラバラにし、その時に出た血を洗い流しているのだな。

ある程度流し終えると男は血の滲んだ紙袋を抱え山の中へと入って行った。

後を追う。

男はスコップを取り出しそれを使ってバラバラの死体を埋め始めた。

すべてを埋め終え立ち尽くしている男に近付き、

「こんにちは。人殺し。」

と仲間意識をこめて呟き、死神派遣会社へと戻った。

しかし、何故男は女を殺したのだろう。

彼女を殺したのは女だとでも思ったのだろうか。

知り合いの話では彼女を殺したのは男の義母のはずだが・・・。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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