毎月お題の短編練習枠(🌱初心者歓迎)

ふたば様
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
㋀のお題も終わらぬうちに、㋁のお題が既に決まったのですね。
しかも、お題の提供者は、なんと！！「嗣人」様だとは。
もしや、ご自身も投稿なさるとか。
氷点下にもかかわらず、大雪のせいで、ストーブの排気口が壊われ、先程は、さとる様の新作を読んでいる最中に、怪異現象が起こり、怖くてコメント欄に逃げて来ましたら、こんな素晴らしいお知らせが目に飛び込んでまいりました。

今宵は、寒さと驚きと怖さのトリプル攻撃に震えて眠れそうもありません。
（笑）
2月のお題　難しすぎます。
怪僧ラスプーチン、「私はカモメ」（これ知ってる人いるかなぁ・(;'∀')　宇宙遊泳　2010年宇宙の旅。これは、大変。えらいこっちゃえらいこっちゃ。阿波踊り。
頑張ります。
その前に、まずは、一月のお題を仕上げてからにしますね。
ううう、寒い。

壁にかかった時計を見ると、午後10時。
僕の目の前で、家の電話が鳴り続けている。
早く取れよと文句を言うかのように。
僕は、

『ミミズにおしっこをかけると晴れるって話があるじゃない？』
僕は彼女の大いなる誤謬を正すべきか否か悩んだ。
『それと同じで、つまりはおまじないなの。
昔から、観たい内容を紙に書いて、枕の下に入れて寝ると、その通りの夢が観れたんだ。
この子のおかげでね』
そう言う織衣の背中には、巨大な生物がおぶさっている。
グロテスクだ。
そいつの出す粘液で、織衣の髪はベタベタだ。
『……ナメクジ？』
『ちがうよ、ウミウシだよ。つっつくとブワーって煙みたいのを出すから。
私の夢に住んでいるから、ユメウシちゃん』
その特徴だとアメフラシじゃないかと思うが、まあいいや。どうせ夢だし。
『で、なんでわざわざ僕の夢に出てきたんだ。
僕は僕で忙しいんだが』
さっきまで、何か夢を観ていたはずだ。思い出せないけど。
織衣は急にモジモジし出したかと思うと、背後に回していた手を、おもむろに差し出してきた。
そこには、可愛らしくラッピングされた、小さな箱が握られていた。
『頑張ったんだけど、どうしても渡す決心がつかなかったから、今年もここで……。
来年にこうご期待！』
僕は首をかしげつつ、それを受け取った。

手を伸ばして受話器を取り上げる。
憔悴しきった母親の声が聞こえてくる。
『もしもし雅彦？
あのね、落ち着いて聞いてね。
お、織衣ちゃんがね、さっき学校の屋上で……』
またこの夢だ。
子供の頃から何度となく観てきた。
あのユメウシ、悪夢とか災厄とか食ってくれたりしないのかな。獏(ばく)じゃないからダメなのかな。
受話器を耳に当てたまま、僕はそんなことをぼんやり考えていた。

ベッドの中で目を覚ます。
何か夢を観ていたような気がするが覚えていない。
枕元でかけっぱなしになっていたラジオから、声が聞こえてくる。
「おはようございます。
今日、2月15日の全国のお天気は……」

23時55分投稿ですね。
こんなギリギリするのは、私だけです。
普通諦めますよね。
あぁ、最後暗号文をワードからコピーする際、ちょっとしくじりました。
しくじり先生です。
皆様　暗号解読深読みするとやけどします。
МとW　ひっくり返すと　微妙に違いますが。

ふたば様
三作目、やっと投稿できました。
間に合いましたか。
さて、この謎解き。解る方いらっしゃいますか。(笑)

そんなに難しいものではありません。

死海文書をこんなお話に使ってしまってごめんなさい。
私の方が呪われそうです。
ではでは。ラストお楽しみくださいませ。
皆様、良いお年を。

「Mの悲喜劇」

俺は、親父の仕事のせいで、行きたくもない学校に転校させられた。そこは、中高一貫の男子校で、いわゆる落ちこぼれのゆく底辺校として有名だった。
俺の親父は、ここで英語の教師をしている。
「おい、村上。これなんだかわかるか？」
渡辺は、　薄く茶色がかった消しゴムより少し大きめの塊をポケットから取り出した。
「知らねぇよ。石かなんかか。」
「け、お前の親父、牧師の癖になんも知らねぇんだな。」
渡辺はそういうと、俺の鼻先に　塊を突き付けた。
「これはな。死海の塩だよ。」
「嘘つけ。そんなもん、そもそも、どうやって手に入れたんだよ。」
「嘘だと思うなら、舐めってみろ。塩だぞ塩。それも、かなり塩辛い。死ぬくらい辛い。」
俺は横を向いた。
「どこから手に入れたかって。教えてやらねぇ。いいか、覚えてろよ。俺は、今からお前を殺す。辛気くせぇ顔しやがって。俺はお前が大嫌いなんだよ。」
渡辺はそういうと、今度は、細長い麻布の切れ端のような物を取り出した。そこには、古代文字のような暗号文が書かれていた。
「お前、これが何だかわかるか。」
俺は、じっとそれを眺めていたが、あるものを思い出し、絶句した。
「ほう。これは、知っているんだな。」
「お前、それ、死海文書の一部だろ。そんなもの、どこから。」
「ふん。知るもんか。いいか。今夜楽しみにしていろよ。お前を殺しに行くからな。」
渡辺はそういうと、不敵な笑みを浮かべて、去っていった。
俺は、帰宅し、一睡もできないまま、朝を迎えた。
結局、何も起こらなかった。親父に、死海文書って、簡単に手に入るものなのかと聞いたら、一蹴された。
学校に着くと、皆がざわついている。どうしたんだと聞くと、
渡辺が昨夜零時頃、この学校の礼拝堂の、イエスキリストの肖像画の前で、何者かに首を絞められて殺されたとの事だった。
麻布のような細長い布に包まれ、半紙のような薄い紙があったのだという。

М　　　日―｜｜＋I　日−　―＋／−　−　−日−｜

Ｗ　　　日―｜｜＋I　日−　―＋／−　−　−日−｜

呪いの儀式。渡辺は、どうやら裏返してしまったようだ。
人を呪わば穴二つである。

あぁ、なんとか間に合ってよかった。
ギリギリですみません。先月乗り損ねてしまったので、今回は間に合ってよかった。
それでは皆様、良いお年を。
来年も、楽しくて恐ろしい、よい一年になりますように。

「画廊・M─メメント・モリ─」

ふと入った画廊で、男は一枚の肖像画の前から動けなくなった。
古傷に塩を塗り込まれるような苦痛。冷や汗が流れ、乾いた口からは吐息だけが漏れた。
狼狽える彼を、女が小さく笑みを浮かべて、額縁の中から眺めていた。
「お客様、いかがですか」
その声に、男はようやく金縛りが解けた心地で振り返る。画廊の主人が眼鏡の奥で目を細めていた。
「こ、この絵は……」
「お目が高い。これは新進気鋭の画家の…」
「そんなことはどうでもいい。このモデルは誰だ⁈」
おかしな男に訝しげな顔も見せず、主人はゆっくりと言った。
「お客様の方が、ご存知なのでは？」
男は頭から氷を浴びせられたように震え上がり、脱兎のごとく画廊を抜け出した。
・・・・・
男は夜道を走る。頭の中に浮かぶのは、さっきの肖像画の女だ。
息も絶え絶えに呟く。
「お前が、悪いんだ。お、俺を振ったりするから……ちょっと、噂を流しただけじゃないか。根も葉もない噂…信じる奴がおかしいし、そんな奴らしかお前の周りにはいなかったんだよ！ そんなことで、し、し、死んじまうお前が悪いんだ！ 俺は悪くない!!」
潮の匂いが鼻につき、男は倒れこむように足を止めた。ここはどこだ。家に向かっていたはずなのに……
振り返ると、遠くにぼんやりと人の姿が見えた。
それはあの肖像画の、かつて男が死に追いやった女と、同じ顔をしていた。
「ゆ、許してくれぇ…」
涙と鼻水を垂らしながら懇願する男に、含み笑いの囁きが聞こえた。
「いやよ」
・・・・・
「〇〇海岸で、男の死体が上がったそうですよ。事故かな。その数時間前には、死ぬことなんて考えもしなかったでしょうにね。かわいそうに」
「…メメント・モリ」
「なんですか、それ」
「『死を思え』って意味。万人に平等で、いつでも影のように寄り添っている死のことを、とかく人は忘れやすい」
「へぇ。そういえばそれ、この画廊の名前ですね」
「そうだね」
主人は額縁を磨きながら、眼鏡の奥で小さく笑った。
（800字）

悩んだ挙げ句、ここにたどり着きました。
皆勤賞を狙っているので、必ず投稿するつもりでしたが、今回はちょっと挫折しそうになりました。
マニアック過ぎて、読み手をおいてけぼりにしてしまう作品ですが、そんな負の感情を主人公と一緒にラストでぶちまけてもらえればいいなと思います。

Mの独り語り

「ターンエーとレコンギスタのどちらが時系列的に先か後かで、いまだに不毛な議論がファンの間で続いてるんだけど、本当にナンセンスだ」
あぁ、まただ。
またいつもの話が始まった。
「公式発表はターンエーが後だと発表したとか、おハゲ総監督がインタビューでレコンギスタが後だと発言したとか、馬鹿みたいなマウント合戦ばかり。もう、うんざりだ」
僕はその手の話には詳しくないが、どうやら彼はガンダムについて熱く語っているらしい。
うんざりなのは僕の方だ。
ガンダムについて彼なりの持論があるようで、同じ話を何度も何度も、耳にタコができるくらい聞かされている。
「宇宙世紀以外のアナザーは、作品一つ一つを純粋に楽しめばいいじゃないか｡GだってWだって00だってオルフェンズだって、他作品との時系列なんて最初から考えてなかったからこそ、素晴らしい作品になったじゃないか」
一方的かつ情熱的な独り語りは、時間とともに加速度的に盛り上がり続ける。
彼が盛り上がれば盛り上がるほど、反比例的に僕の感情はドンドン冷めていく。
非常に迷惑だと感じているこちらの気持ちは、微塵も彼に伝わってはいない。
「そもそも時系列に並べる必要性などないんだ。だって、全てのシリーズは、ビルドシリーズの劇中劇ってことになるんだからさ」
僕にはわかる。
このフレーズが出ると、そろそろオチだ。
「まぁ、そもそも、僕自身の中では、ターンエーもレコンギスタもガンダムとは認めてないけどね」
オチまで話すと、満足したのか、彼は僕の目の前から姿を消した。
翌日、ついに耐えきれなくなった僕は彼、友人Mの家をたずねた。
彼の親に許可をもらって部屋に入れてもらうと、感情のままに不満をぶちまけた。
「毎晩毎晩、枕元で同じ話ばかりしやがって!!お前はもう、事故で死んだんだよ!!いい加減、成仏しやがれ!!」
そう言うや否や、右手いっぱいに握りしめた塩を思いっきり叩きつけた。
遺影がわりの、彼の肖像画に向かって…。

ふたば様
まだ、今月のお題受け付けていましたら、よろしくお願いいたします。
もう一作アップする予定でしたが、謎解き要素が加わるため、朗読には不適と判断し、投稿を諦めました。このままのモチーフを生かし、本編にアップする予定ですが、本作は、このまま掲示板作品として残しておきたいと思います。
珈琲にハチミツとほんの少しの塩を入れて飲むのが、今の私の楽しみです。
意外な組み合わせですが、美味しくいただけます。

ふたば様、本年は、帯刀お世話になりました。
YouTubeへ朗読配信、800字お題三題企画イベント。
ありがとうございました。
お陰様で、本年は、長い長い怠惰な生活と冬眠から目覚めることが出来ました。
ありがとうございます。
拙作続きの投稿で申し訳なく存じます。
また、失礼や幾多のご無礼をお詫び申し上げます。

怖話を愛する多くの皆様方へ、この場をお借りし、御礼と感謝を申し上げます。
本年もありがとうございました。
少し早いのではございますが、元旦から仕事が入っておりますことから、ご挨拶とさせていただきました。
皆々様のご多幸とお健やかな日々をお祈り申し上げます。
良いお年をお迎えください。

「行きつけの店」

私の職場の近くに「むぅ」という名の小さなカフェレストランがある。
今から数年前の冬、福祉専門学校の学生だった頃、同級生とたまたまランチタイムに訪れて以来、ずっと馴染みの店である。

私が訪れる時間帯は、いつも決まっている。
仕事が引けて、しばらくたった時刻だ。
カフェでもなく、さりとてレストランと呼ぶには、少し大げさな感じもする街の洋食屋といったところだろうか。
店内を見渡すと、モスグリーンの壁面に、F5号の油絵が5点ほどバランスよく配置されている。
私は、金髪の少女の肖像画が飾られている壁面のすぐそばに座る。
その絵の下には、「M」と書かれたプレートが貼られていた。
店内に客はいない。
ぼんやりとしたロウソクの火が、私を照らし、コーヒーの横には、ハチミツの入った小さなポットと塩が置いてある。

目の前に、暖かいコーヒーが運ばれてきた。

お寒くなりましたね。
―そうですね。今年は特に寒さが厳しい感じがします。
この近くに来て何年になります？
―来年の一月で、丸三年になりますか。
そうでしたか。もう、そんなになりますか。早いですね。

私は、コーヒーに小さじ一杯のハチミツと耳かき程度の塩を入れて一気に飲み干した。

―思いのほか居心地が悪くて。辞めて、去ろうかと思っています。
・・・そうでしたか。
―すみません。また、あの日のように占っていただけませんか。
・・・・・・・・
その人は、フッと口元に笑みを浮かべると

…占って差し上げてもよろしいのですが、最終的に決めるのは貴方自身ですよ。
―わかってます。でも、後悔したくないんです。たった一度の人生だから。

わかりました。では。

残念ですが。あまり、良い未来は視えません。留まるか、新たな場所に幸せを求めるかは、あなた次第です。

いずれにせよ。
あなたはこの世の人ではないのですから。

肖像画の中の少女は、そう呟くと目を閉じた。

占い師マザーソルト　通称M　死後尚も舌先に残る塩の名と同じ。

@あんみつ姫 さん
ありがとうございます！
そう言っていただけると嬉しいです！

お題、たしかに難しかったです笑
特に塩を迷いました！笑

いつもあんみつ姫さんの語彙の広さと言葉のまとまりの綺麗さ勉強させていただいております！
こちらこそよろしくお願い致します！