アホですいません。
最初に言うべきじゃないですよね。
でも実はですね…。
まぁ最後に話します。 桜
続き。
…………。
手をいれてみたが生暖かいだけで何もおきない。
だよな……。
普通そうだよな…。
安心して手ひっこめ、立ち上がる。
いきよいよく押し入れを閉めようとした。
ガッ。
何かが引っ掛かった。
なんだ…。
目をやる。
「うっ」
叫ばまいと口を抑える。
青白い手。
その手が押し入れを閉めるのを阻止してるようだった。
急いで1階に駆け降りる。
ちょうど階段でたくさんのお菓子を抱えたTと出会った。
「そんなに慌てどうしたんだよ」
「手!手が!」
「何言ってんだよ!」
「いいから来いよ!」
強引に引っ張り部屋に行く。
「ここだよ!ここにあったんだ」
押し入れを指さして俺は言った。
ガラッ。
ためらいなく押し入れを開けたT。
「…なんもないな」
信じているのか信じていないのかわからない冷静ぶり。
「お前…信じてないだろ」
Tのお菓子をぶん取りながら言った。
「…いやっ信じてる。」
「ふーん」
疑いの眼差しを向ける俺。
しばらく押し入れを見つめていたTは静かに押し入れを閉めた。
それから1階に行こうと言われたので1階に行き、ソファーに腰掛ける。
「なぁ…」
「ん?」
「さくらさんっていううわさ知ってるか?」
「知らん」
俺は即答した。
「そうだよな…あまり広まってないからな…」
Tが苦笑いをしながら言った。
「で、それがどうしたんだよ」
「まぁ聞いてくれよ」
「あっ、あぁ」
「さくらさんっていう女の子がいてさっ
1人…孤独だったんだ。
みんなにいじめられてたんだよ。実の親さえも虐待しててよ、周りの大人も見て見ぬふりでさっ。
本当にここまでの孤独があるかっていうくらいにね」
「うん…」
いきなりこんな話をするのに疑問をもったがあえて黙っていた。
「毎日が孤独との闘いでさ、未来の見えない日々をひたすら耐えていたんだ。
それでも…さくらさんは、いつかは終わってくれると信じていたんだ。」
「……」
「ところがある日………自殺したんだよ……押し入れの中でさ」
Tは俺を見て言った。
「そうなんだ」
「いや、正確には殺されたのかな……」
「は?」
続く。
怖い話投稿:ホラーテラー 桜さん
作者怖話