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短編2
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探す女

2年前に友人Aから聞いた話ですが、実話なので何のオチもありません。

当時Aは離婚したばかりで、アパートの一人住まいでした。

悪い事は重なるもので数ヶ月後に会社は倒産。収入源を絶たれたAは、悩んだ末実家に戻る事にしました。

Aの実家は両親と祖母の3人暮らし。祖母は喜んでいましたが、30半ばで実家暮らしは、近所の目もあり居心地の良いものではありませんが、金銭的な事もあるので気にはしていられません。

不景気でひと月程経っても就職先は中々決まらず、Aは日中は就職活動にあて夜のバイトをする事にしました。飲み屋のバイトで帰宅時間は毎日午前2時過ぎ。

週末でバイトがいつもより遅くなり、Aが歩いていると家まであと数十mというところで電柱の陰に人影が見えました。

(まさか通り魔や変質者じゃないだろうな…)

と警戒しながら歩いていると、人影が電柱から飛び出してきました。

出てきたのは20才くらいの女で、胸元がはだけ顔は殴られたように腫れ上がっていました。

「!?大丈夫ですか?何かあったんですか?」と尋ねると女はAの顔を睨むように見回し一言

「おまえじゃない…」と呟きAの目の前で消えてしまいました。驚いたAは逃げるように家に駆け込みました。

翌朝家族に話しても「うちの前で人が死んだなんて事はない。酔っ払っていたんじゃないのか?」と誰も相手にしてくれません。

おかしいな、と思いましたがそれ以上は触れない事にしました。その日はバイトも休みでゆっくりしていたのですが…

翌日のバイト帰り、女は立っていました。

(うわ〜…またいるよ)

と思ったAは道の端により下を向きながら歩いていると、気づけば下から覗き込む女の顔。そして一言

「おまえじゃない…」

そう言って消えかけた時

「どうして!…君は誰を探しているの?」

怖かったけど毎晩立たれてはかなわないと思い、Aは意を決して聞きました。

Aを見る女は悲しそうな顔で何も言わず消えてしまいました。

その後も女はAのバイト帰りに必ず立っていました。結局Aがバイトしている間の1ケ月ちょい、毎日のように立っていました。

その後就職したAに女がどうなったのかは分からないそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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