高校生の頃、仲良しグループで廃墟に向かった。
その廃墟は、「出る」と噂のラブホテルだった。
生い茂る草木を掻き分けて入口にたどり着いた。
入口は板が打ちつけてあり、侵入するには裏のボイラー室からでないと駄目であった。
裏まで回ると、グループの一人が突然、叫んだ。
「三階の窓から何か、今みてた!」
ライトを三階にやると、窓はしっかりと閉まっていた。
ボイラー室の窓は割れていて、怪我をしないように注意深く跨いだ。
中は案の定、DQNの落書き、驚かしの為のオカルティックな言葉がそこらへん中にあった。
一回のラウンジを一通り見て回ると2階に向かった。
2階は黴臭く、絨毯が湿っぽい。部屋を一室一室見たが、ただただ荒らされて、黴臭いだけの部屋だけだった。
三階に続く階段の踊場で自称「霊感ある男」が、囁くように言った。
「三階は……やめておけ」
確かに、三階から流れてくる空気はさらにじとっとしていて、澱んでいる。
霊感が全くない俺ですら、薄ら寒いものを感じた。
コツコツコツ……
反対を押し切り、三階に上がり、見渡した。
落書きが…無い。薄気味悪い。落書きが一切無いということは、怖い物知らずのDQNでさえ、避けたということである。
「それにしても、湿度がハンパねぇな」
一人が言った。湿度より、ついさっきまで営業してたような綺麗さが、気になる……
階段近くの部屋から一室一室見た。
特に、変わった物は無く、最後の一室のみになった。
「ここ、多分料金高かったんじゃね?」
間取りから言うと指摘通りか。ノブに手を掛けた。
ガチャガチャ
開かない。何をしても無駄だった。
仕方無く、諦め、踵を返した瞬間……
カチャ
背後の扉の鍵が開く音がした。
「逃げようぜ」
霊感ある男は周りに懇願した。
今思い返すと、ほんの一瞬でも興味が恐怖を越えてしまったことが悔やまれる。
扉を開けると、鏡張りの部屋の中にある、大きな回転ベッドの上で……
えのきじじぃとなめこばばぁが交尾してますた
(´・ω・)ノシ
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話