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短編2
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廃墟に潜む者

高校生の頃、仲良しグループで廃墟に向かった。

その廃墟は、「出る」と噂のラブホテルだった。

生い茂る草木を掻き分けて入口にたどり着いた。

入口は板が打ちつけてあり、侵入するには裏のボイラー室からでないと駄目であった。

裏まで回ると、グループの一人が突然、叫んだ。

「三階の窓から何か、今みてた!」

ライトを三階にやると、窓はしっかりと閉まっていた。

ボイラー室の窓は割れていて、怪我をしないように注意深く跨いだ。

中は案の定、DQNの落書き、驚かしの為のオカルティックな言葉がそこらへん中にあった。

一回のラウンジを一通り見て回ると2階に向かった。

2階は黴臭く、絨毯が湿っぽい。部屋を一室一室見たが、ただただ荒らされて、黴臭いだけの部屋だけだった。

三階に続く階段の踊場で自称「霊感ある男」が、囁くように言った。

「三階は……やめておけ」

確かに、三階から流れてくる空気はさらにじとっとしていて、澱んでいる。

霊感が全くない俺ですら、薄ら寒いものを感じた。

コツコツコツ……

反対を押し切り、三階に上がり、見渡した。

落書きが…無い。薄気味悪い。落書きが一切無いということは、怖い物知らずのDQNでさえ、避けたということである。

「それにしても、湿度がハンパねぇな」

一人が言った。湿度より、ついさっきまで営業してたような綺麗さが、気になる……

階段近くの部屋から一室一室見た。

特に、変わった物は無く、最後の一室のみになった。

「ここ、多分料金高かったんじゃね?」

間取りから言うと指摘通りか。ノブに手を掛けた。

ガチャガチャ

開かない。何をしても無駄だった。

仕方無く、諦め、踵を返した瞬間……

カチャ

背後の扉の鍵が開く音がした。

「逃げようぜ」

霊感ある男は周りに懇願した。

今思い返すと、ほんの一瞬でも興味が恐怖を越えてしまったことが悔やまれる。

扉を開けると、鏡張りの部屋の中にある、大きな回転ベッドの上で……

えのきじじぃとなめこばばぁが交尾してますた

(´・ω・)ノシ

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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