扉や窓を閉めて、外からの風や真っ黒いカーテンで光が入らないようにしてある。
そんな密閉された部屋で話しを聞いていると数本の蝋燭の炎が急に激しく燃え上がり、揺れだした。すると部屋の空気がひんやり肌寒く感じて何本かの蝋燭の炎が一本づつ消えていった。
俺の目の前の蝋燭も消えた。すると背後に人らしき気配を感じた。
話が終わると、次々と子供達を部屋の外へ連れ出して中に残されたのは気がつけば俺を含む10人になっていた。(3人は男、7人は女)
部屋の扉の前に大人が1人残り、「いいと言われるまで絶対にとるな」と言われて耳栓を装着された上からヘッドホンを被せられた。
俺達は寄り添うように座ってしばらくの間、無音に耐えていた。
何時間過ぎたかわからないが子供にとっては、とても長く感じる。
ようやく残りの大人達が戻ってきた。
装着したものを外された。
「おめでとう、ここに残った君達だけは特別に生き残ることを許された」
すると大人1人、子供2人の3人で1組となり5組に分けられる。
そしてアイマスクで目隠しをされたまま車に乗せられて、どこかへ走り出した。かなり走りつづけたと思う。
途中でアイマスクをしたまま食事を喉に運ばされた。
子供の体力ではくたくたになった頃ようやく俺の組が車から降ろされた。
そして手を引かれてしばらく歩いたところでようやくアイマスクが外された。
目を開けると既に真夜中である。
どこかの山の中だ。大人から懐中電灯を渡され、2人でこの山道を登って行ったところにある、一軒の空き家の中を一回りして帰ってくるように言われた。
洗脳によって恐怖心はない。
俺達は指示された通りに動く。
朽ちかけた家の中を見回る。
外と全く違い、じめじめと湿った畳に生暖かい空気が漂う。障子にはいくつか赤い手形が残っていた。あの怪談話のときのように感じる第三者の存在。
気配を感じながらも、一回りしたので家を出て、元の場所へ戻る。
途中何度も後ろから足音がしていた。
戻ると再びアイマスクをして車に乗って帰った。
疲れ果てていたが、俺は急に具合が悪くなり、頭痛と嘔吐を繰り返した。
薬を飲まされて車内で横になると、いつの間にか眠った。
目が覚めるとあの部屋だ。他の子供達も眠っていた。
しかし俺とペアを組んだ子はいない。
それに指折り数えたが人数が俺を含めて5人に減っている。
残りの4人も目を覚ました。
お互い無言だったがすぐに状況を把握したようだ。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話