私は小さい頃から妹の沙織が大嫌いでした。
沙織は可愛くて何でもできるから親はいつも可愛がる。
沙織の性格が最悪だったらいいのに純粋だから余計うざかった。
「お姉ちゃん、遊ぼ」
部屋で勉強していると沙織が来た。
「今忙しいの、みてわかんない?」
「ごっごめんなさい」
沙織はトボトボ行った。
私は親にかまってほしくて勉強を頑張っていた。
来週にはテストがある、それでいい結果をだせばと、ずっと頑張っていた。
そして、テストの結果が返ってきた。
私はあしどりが軽かった。
もちろん高得点はないが平均点ぐらいだった。
馬鹿な私にとってはとても嬉しかった。
帰ってさっそく母に見せた。
「お母さーん見て、テストが返ってきた~」
お母さんの側に沙織がいたがお構いなしに渡す。
「あら…まぁまぁね、沙織なんて全部90点以上よ」
誇らしげに沙織を見る母。
それに照れる沙織。
「だいたい、こんな点で喜んで恥ずかしくないの?」
母の説教は2時間かかった。
私はただ呆然と聞いていた。
そういつものこと。
いつも沙織ばかり…。
私の中に暗い感情がグルグルする。
「ちょっと沙織、お姉ちゃんと遊ぼうよ」
「本当!?やったー」
無邪気に喜ぶ沙織。
私は部屋に呼び出した。
「いい?次のテスト全部0点とって!」
「えっでも…」
「いいからとれよ!!」
ビクッと跳ね上がり沙織は下を向いた。
泣くかっと一瞬あせった。
「ふふふふ」
突然沙織が笑い出す。
「ちょっと沙織?」
「本当に馬鹿なお姉ちゃん」
「えっ」
いきなり沙織の態度が変わりびっくりする私。
「お姉ちゃんって何やっても駄目だよね、ブスだし、馬鹿だし、運動できないし、もっと可愛いお姉ちゃん欲しかったな~
あんたなんかいてもいなくても同じじゃない?」
ちょっと…これ本当に沙織?
「驚いた?そうよね、みんなの前では優しい沙織ちゃんだもんねぇ?」
嫌みったらしくこちらを見る。
「ふざけんなよ!!」
バシ!
私は沙織を思いっきり殴った。
「本当に馬鹿だね」
そう言って大声で泣いた。
もちろん嘘泣きに決まってる。
下にいた母が駆けてきて私の言い分を聞かずに怒鳴りつけた。
殺意をもったのははじめてだった……。
私はどこにぶつければいいかわからない怒りをずっと堪えていた。
ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく。
うざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざい。
「お・ね・え・ちゃん」
あぁムカつく声がする。
沙織が私の部屋にきた。
「なんですか?」
低い声でそう言った。
「あたしねぇ、考えたんだけどぉー、前にいったとおり、お姉ちゃんいらないからぁ~」
「なっ!」
ぶん殴ろうと立ち上がった瞬間首に冷たいものがあたった。
見えないけどわかる。
包丁だ。
「あ…あんたこんなことしていいと思ってるの?」
緊張してうまく声がでない。
突然こいつは何考えてるんだ?
「ふふふふ、馬鹿だなぁ」
沙織はクスクス笑い出す。
「今、私がお母さん呼んだらあんたがやばいんじゃない?」
私はひきつった笑みをうかべた。
「ばぁーか」
沙織は私に向けていた包丁を自分の腹にあてる。
「あたしがお姉ちゃんに脅されて刺したってことにしちゃえばどうなると思う?」
沙織が意地の悪い笑みをもらす。
「ばっかじゃない!警察だってそこまで馬鹿じゃないわよ」
私は嘲笑うように言った。
「だよねぇ~、じゃあやっぱりお姉ちゃんに死んでもらおう、あたしだって痛いのやだしぃ~」
「ばっかじゃない」
「あたしの歳じゃすぐでれるよ、死人に口なしだからあたしが適当に演技してさっ」
そう言って包丁を向ける。
ちょっと待って。
こいつ…本気!?
「バイバイ、お姉ちゃん」
「キャーーー!!!」
私は身をかがめた。
………………あれ?
私は顔をあげた。
「ふふふふ、アハハハハ!!キャハハハ!!キャーだって!」
沙織は大笑いをしている。
「殺すわけないじゃ~ん、なのにさっアハハハハ!」
沙織は腹を抱えて笑っている。
私は沙織の近くに落ちている包丁を手にとった。
あんた頭いいね。
だけど馬鹿だわ。
怖い話投稿:ホラーテラー 玲奈さん
作者怖話