短編2
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DM

『MD』の続きです。

背後から私の首に巻き付く小さな両腕。すぐに息子の、俊の腕なんだと分かった・・・・・・

私は瞬間は驚いたが、別に俊になら殺されてもいいかな、と思った。だけど、

「パパ、DMだよ・・・・・・」

DM・・・・・・ダメだよ、という意味で妻と俊が好んで使っていた言葉。

「ボクたち幽霊は生きてる人に怖がられるとホントに怖い姿になっちゃうんだ。だから怖がらずにホントのボクを思い出して・・・・・・」

本当の俊・・・・・・遊園地で私とはぐれ迷子になって泣いていた俊。謝りながら涙を拭いてあげたっけ・・・・・・。妻が死んだ時期毎日泣いていた私の涙を自分もエンエンと泣きながら拭いてくれた俊。俊が重い病気だと分かってずっと泣いていた私の涙を「そんなの大丈夫だよ、パパ」と言いながら拭いてくれた俊・・・・・・気が付くと俊の手は私の首に巻き付いてなどいなかった。ずっと私の涙を拭いていた。

「パパ、いつまでも泣いてちゃDMだよ。ママとずっと二人で愛してるよ、バイバイ」

「俊・・・!!」

私は叫んで振り返るが、俊はいなかった・・・・・・

「幻・・・覚・・・?」

私は力無くつぶやく。が、ふと目の前を見るとMDプレーヤーが『録音』の状態になっていることに気付いた。

『パパ、いつまでも泣いてちゃDMだよ。ママとずっと二人で愛してるよ、バイバイ』

私はMDを巻き戻してその再生を聞いた。今度は泣くのをがまんしながら何度も何度も・・・・・・

怖い話投稿:ホラーテラー 行方不明さん  

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