遅くなってしまって、本当にごめんなさい。
続きです。
おばあちゃんの家に到着し車を降りると、縁側に座ったおばあちゃんが笑顔で手を振っていた。
僕達も笑顔で手を振り返した、するとおばあちゃんは手招きしながら、
「遠くからご苦労様、疲れたでしょう。」
「荷物を置いて、中でゆっくりしてなさい。」
と言ってお父さんとお母さんを家に招き入れた。
おばあちゃんは、お父さん達が家の中へ入って行くのを見届け、僕達の方にニコッと笑顔を向けた。
「おばあちゃん!!今年はどんなお菓子をくれるの?」
ワクワクしながらそう聞くと、おばあちゃんはニッコリ笑って
「今年のはとっておきだから、楽しみにしときな。」
と僕に囁いた。
それを聞いた僕は、ウキウキ気分でお兄ちゃんと一緒に荷物を持って家にあがった。
今日は楽しい一日になりそうだな。
その時僕はそう思っていた。
みんなで過ごす時間はあっという間に過ぎ、いつの間にか夜になり寝る時間になっていた。
寝る場所は、おばあちゃんと、お父さん、お母さんが同じ部屋で、僕とお兄ちゃんが同じ部屋だ。
僕ははしゃぎ疲れたのもあり、すぐに眠りについてしまった。
でも、その眠りからはすぐにたたき起こされることになった。
「起きろ、頼む早く起きてくれ。」
お兄ちゃんだった、
「いきなり起こしてごめんな、でも時間がないんだ。」
僕にはなんでお兄ちゃんが焦っているのかわからなかった。
「早くここから逃げなきゃいけないんだ。」
お兄ちゃんは何を言ってるんだ?
「この村では昔から、跡取りのため長男を残して、二人めの子供は生贄として、この村を守っているお社さまに捧げられてしまうんだ。」
そんなこと聞いたことがなかった。
僕にはお兄ちゃんの言っていることがまったく理解できない。
「何言ってるの?やめてよ、じょーだんでしょ?」
お兄ちゃんは哀しい顔をして
「おまえが毎年おばあちゃんに貰っていた、あのお菓子があるだろう?あれはな、人間の臓器を混ぜて作ってあるんだ。」
「おまえが5歳の時から、10回にわけて、脳、目、心臓、肺、胃、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、骨をお社さまに捧げるための儀式として食べさせてたんだよ。」
僕は気持ち悪さと、寒気で倒れそうになった、悪い冗談であって欲しい、そう思った。
でも、すぐにそんなこと考えてる場合じゃなくなってしまった。
「まずいな、お母さんが来る。ここに隠れて!!」
お兄ちゃんは体の小さい僕を、狭い押し入れに押し込んだ。
カチッ
部屋の電気がつくと、隙間からお母さんが入ってくるのが見えた。
思わず声が出そうになったが、その手に持った、包丁と縄を見て、無理矢理口をふさいで押し殺した。
とにかく見つかっちゃい、そう思った。
お母さんは僕を探している、僕がいなくて焦っているみたいだ。
あれ?
そーいえば、お兄ちゃんはどうしたんだろう、お兄ちゃんの姿は見えない、お兄ちゃんが心配だ。
しかし、お母さんはまだ僕を探している。
怖い…、いつものお母さんじゃない。
その顔はまるで鬼のように見えた。
心臓の音が聞こえないか、呼吸の音が聞こえてしまわないか、見つかってしまう怖さから体に緊張が走る。
しかしお母さんは、この部屋に僕がいないと思ったのか、出て行こうとした。
その時だった。
「ミシッ」
ミシッ??まずい。古い家だからだろうか、小さな音をだしてしまった。
小さな音だが、田舎の静かな夜、この部屋に響き渡るには十分な大きさだった。
お母さんが、押し入れに向かって、僕に向かって歩いて来る。
どうしよう、気づかれてしまったんだ。
僕は、お兄ちゃんの言っていたようにお社さまとやらに捧げられてしまうのだろうか……。
また終われなくてごめんなさい。
出来るだけ急いで続きを書きますね!!
つまらないのに間空けちゃって、本当ごめんなさい。
怖い話投稿:ホラーテラー 鏡の女さん
作者怖話