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短編2
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水底人

あれはおれが小学生だった時の話。

夏休みに田舎のばあちゃん家に遊びに行ったんだ。

田んぼとか畑ばっかの、山々に囲まれてるすごい田舎で、コンビニもないような所。

山に行けばカブトムシやらクワガタやらがいて、川に行けば魚がたくさんいてさ、都会育ちのおれにはかなり新鮮だった。

空気もおいしくて川も澄み切ってて、川の水をまんま飲めるくらい、自然豊かな所なでさ。

そんなある日、そこで友達になった奴らと川遊びしてたんだ。

やっぱガキってすぐに誰とでも仲良くなれるじゃん?

そんなノリでキャッキャッしながら魚捕りとかしてて。

そしたらおれ、足の届かない深さまで行っちゃってさ、あれよあれよという間に溺れて激流に流されちゃったんだ。

もうとにかくバニックだったよ。

友達は皆何か叫んでたりしてたんだけど、全然聞こえなくて。

視界の友達は段々小さくなって、どんどん流されてって。

薄れゆく意識の中、ガキながらにして「あぁ、おれもう死ぬんだな」って思ったな。

そしたら誰かに手を掴まれたんだ。

グイグイ引っ張られるんだよ。

目つむってたから誰かはわかんなかったけど。

てかそんな余裕なかったしね。

そこでおれは完全に気失った。

気づいたら川岸に寝転がってたんだ。

あれ‥おれ生きてんのか‥

ここどこだ?

見渡すと、そこは木々に囲まれた沼(小さな湖?)みたいな所だった。

木漏れ日に所々が照らされてて、時々鳥のさえずりが聞こえるような閑静な場所。

そしたら、いきなり沼の中から変な生き物が出てきたんだ。

人間みたい‥だけど確実に人間じゃないなって思ったよ。

頭はツルツルのハゲで体は深緑色で、なんか体表がヌメヌメしてる感じでさ、そのくせ目が超でかくて。

手には水かきみたいのがついてて。

そいつ、岸に上がると2本足で立ち上がったんだよ。

体長が大体140~150cmくらい。

おれはもう口開けっ放しで、とにかくただただ唖然としてた。

そしたらそいつ喋りだしたんだ。

「生きてるか、良かった良かった。」

俺「な‥な‥なんなのっ?誰っ?」

「おれはその‥あれだよ。水底人。まぁあれだ、お前らが言う河童ってヤツだ。」

俺「か‥河童ぁ?!!」

「おれが助けなかったらお前、今頃溺れ死んでたぞ。たまたまあそこを泳いでたから良かったけど。人間は頭は良いが、泳ぐのが苦手な生き物だな。」

‥信じられない。嘘だろ?夢?

続く。

怖い話投稿:ホラーテラー へいぽーさん  

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