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短編2
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水底人2

続き。

落ち着きを取り戻し、現状を理解したおれはその河童?とたくさんの話をした。

“彼ら”は何百年も前からこの土地に住んでるという事。

今ではおれ達人間に住む場所を追いやられ数も減ってしまい、家族や仲間達を合わせて30人くらいでこの沼を住家にしているという事等など‥色んな事をそいつと話した。

河「ちょっと前までここは今よりもずっと綺麗な所だったんだんだぞ。川も森も山々も。それがお前、人間が森を壊したり川を汚したりしてよう、空気も汚れて段々おれ達の居場所が無くなっちまった。」

俺「ふーん‥じゃあおじさん、おれ達の事嫌い?何で助けてくれたの?」

河「‥嫌いじゃないっつったら嘘になるが、おれは子供は好きだ。今の人間の大人に責任はあってもお前らに罪はないからな。おれ達はただお前ら人間とうまく共存していきたいだけだ。手を取り合って助け合えたら、なんか素敵だろ?」

俺「そうだね。おれもそう思うよ。こんな綺麗な所守りたいって思う。いつまでもあって欲しいって思うから。」

河「そうか。‥それにしても人間っつう奴らは、よく生み出すがよく壊す困った生き物だな。この大自然を全て壊すようなマネをしたら、同時にお前達人間も破滅するぞ。当然“おれ達”も。おれ達全ての生き物は自然と共存していかなきゃいけない。それが掟というか‥まぁルールだからな。お前はせめてそのルールを守れる大人になってくれよ。」

俺「うん、わかった。そういう大人になる。助けてくれた代わりに約束するよ。大きくなったら、川とか森を守れる大人になる。だからそれまで待っててね。」

河「お前は素直な良い奴だな。期待しないで待ってるよ。―ありがとう。」

そしておれは目覚めると、ばあちゃん家にいた。

あれ?河童は?

夢だったのかな‥

聞く所によると、おれは溺れた場所より上流の岩場で、猟師に発見されたらしい。

溺れたはずなのになんでそんな場所で?って皆首ひねってたよ。

ばあちゃんの話では、ここの川で溺れたりして死んだ人間は、不思議と昔から一人もいないらしい。

水神という神様に守らている川だからだと。

おれは河童の話をしようとしたがやめた。

信じないだろうし、何よりそっと胸に閉まっておきたかったんだ。

今?

今おれは河童から助けて貰った命で大学と専門学校で猛勉強中。

環境保全に尽力できる政治家を目指してる。

あの日の、河童との約束を果たす為に。

怖い話投稿:ホラーテラー へいぽーさん  

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