短編2
  • 表示切替
  • 使い方

みゆき

私にはみゆきと言う友達がいました。

みゆきは昔から霊感があるとみんなに話しており、よく教室の隅に女がいるとか 体育館で男の子の霊を見たとか話して 友達を怖がらせていました。

それは大人になってからもかわらず、大学でもサークルのみんなに怖い話ばかりしていました。

最初はみんなみゆきを面白がり、いつも彼女の回りには人がいました。

しかし、ある時体調が悪い男友達に対して、彼女の生き霊がついてるから 別れた方がいい。と言ったことから 彼女へのみんなの対応が変わり始めました。

みゆきはその彼のことが好きでした。

本人は隠しているつもりでも みんなわかってしまうくらい 彼に夢中でした。

それからみゆきは嘘つきとかきもいとか言われるようになり あっというまに彼女の回りから人がいなくなりました。

私はみゆきといることで 自分も同じ目にあうのが怖くて 距離を置くようになりました。

今では後悔していますが、小さい頃から仲のよかった私にまで距離を置かれたことが みゆきにはとてもショックだったのだと思います。

彼女はいろんな人にあなたにはこんな霊がついてると説明するようになりました。

みんな気味悪がり さらに距離を置くようになりました。

しばらくして 妙な噂が立つようになりました。

みゆきにからまれた人が かならず怪我をすると言う噂です。

私はひどい噂を立てる人もいるものだと思い 相手にしていませんでした。

それからしばらくして、校内を歩いていた私にみゆきが話しかけてきました。

「女の霊がついてるから気を付けて」

その時のみゆきは明るかったときの面影はなく、やつれ果ててしっかり聞き取れないくらい小さな声でした。

私は怖いと同時になんだか悲しくなりました。

その日のバイトの帰りに私はなんとなく、嫌な感じがして振り返りました。

私から20m程離れた所に 女がたっているのが見えました。

暗くて顔はよく見えなかったのですが なんとなく笑っているようでした。

怖くなって急いで家に帰りました。その日は何事もなく みゆきが言っていたのはこの事だろうかと考えていました。

それから数日後事件は起きました。最近休みがちだったみゆきが自室で自殺しているのが発見されました。

残されていた遺書にはみんなへのうらみのことばが並べられていたようです。

発見したのは彼女の両親で 私は学校でみゆきがどんな目にあっていたのか いろいろ聞かれました。

ゆみきが亡くなったのは私が女の霊を見た頃だったことを教えてもらいました。

あれは私についていた霊だったのでしょうか?

今考えるとあの霊は 私に最後に話しかけてきた やつれ果てたみゆきによく似ていたようにも思います。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿山名美子さん  

Concrete
コメント怖い
0
1
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ