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短編2
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「クリスマス」後日談

あるところに双子の兄弟がいた。

今日は双子の誕生日。

両親は最新ゲーム機や高価なおもちゃなど、兄にたくさんのプレゼントを買ってあげた。

バースデーケーキもとても豪華なものだった。

ところが、弟にはミニカーがひとつだけ。

兄「へっ!いいだろう!こんなにたくさんのプレゼント。お前には貸してやらないからな」

弟「べつにいいもん。僕だってプレゼントもらったから」

兄「そんなミニカーひとつか!意地張るなって!羨ましいんだろ~」

弟「全然羨ましくない。ミニカーで充分さ」

兄「素直じゃないなあ!羨ましいなら、羨ましいって言えよ!!」

弟「羨ましくないよ!だって僕、お兄ちゃんみたいにガンじゃないもん」

兄はその半年後、ガンにより亡くなった。

月日は経ち、弟は20歳になった。

そこで両親が言った。

「ガンは遺伝と大きな関係がある。お兄ちゃんの件もあるから明日、病院で検査をしよう」

翌日、弟は両親に連れられ病院に行き、検査を行った。

数週間後、検査の結果がわかった。

「異常なし」とのことだった。

両親は大喜び。

そして、こんなことを言った。

「健康で長生きが一番。検査はとてもいい結果だった。お祝いに海外旅行に行こう」

両親の喜びようは異常だった。

が、弟は「兄の件もあるし、気持ちはわからないわけではない。こんなに両親に愛されている僕は幸せ者だな」と、半分呆れながらも喜んで海外旅行について行った。

ところが、渡航先のホテルに到着したとき、両親が神妙な面持ちで言った。

「実は検査の結果、ガンが発見されていたんだ」

弟は悟った。

「本当は僕もガンだったんだ。それもかなりの末期の。だから最後の思い出づくりに僕に内緒で旅行を計画してくれたんだ」と。

しかし、父の口から出た言葉は意外だった。

「勘違いしないでくれ。お前は本当に健康だよ」

弟は「じゃあ、なんで?」

父は言った。

「ガンが見つかったのは私たち夫婦だ。肺ガンさ。進行の程度は同じくらいで、二人とも移植しか生きる道は方法がない」

弟の顔は「まさか」という思いで、みるみる青ざめていく。

父は続けた。

「だから言ったろう、ガンは遺伝と関係が深いって。私たちにはドナーが必要だったが、あいにく適合者は現れなかった。しかし、最後の希望をかけてお前を検査した。その結果、お前の肺は私にも妻にも適合することがわかったんだよ。家族とはいえ、本当に奇跡的な確率だよ」

検査の結果が出たあとの両親の異常まなでの喜びようの意味を、このとき初めて弟は理解した。

父は言った。

「すでに闇医者の手配はしてある。急ごう」

弟は「死にたくない!!!」と抵抗した。

そこで母が言った。

「あなたは死ぬ訳じゃないのよ。これからもずっと一緒よ。お父さんの右胸の中と、私の左胸の中でね」

怖い話投稿:ホラーテラー 未熟者さん  

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