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中編3
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I LOVE 女子!

「この世でさ、俺以外の男は消えてしまえば良いって思うんだよ」

友人の家に行くと、紅茶を運びながら無表情でそう言われた。反応に困る。

「ハーレムだろ?警察官も先生も道路工事の人も全員女性。最高じゃないか」

俺、女子ばかりの高校行ってたときは地獄だったなぁ…何もしてないのにクスクス笑われて、文化祭とかで発言権とか一切ないし。こいつはその苦しみをしらない。

「でさ、どうやったら消えるか考えて。爆弾落とすとか一人一人刺し殺すとか…でも難しいだろ?それ」

「まぁね」

「だからさ、せめてこのアパート内では男子俺一人って状況にしようと思ってさ。女子寮みたいに」

友人は、立ち上がると押し入れをガラリと開けた。中から首にロープがかかったおっさんが転がり落ちてきた。

「…え?」

「大家さん。これから徐々に消そうと考えてる」

俺と友人の間に倒れている大屋さん。目の前の友人が異常者と分かると、背筋がゾッとする。何もしゃべれない。

…何で俺にこれを話したんだ?

「でさ、どうやって死体隠そうとか考えてさ。月並みの方法だけど食べるしかないと思って。俺全然料理無理だけど、お前上手いからこれを調理して貰おうかなって」

「月並みか?それ。いや…」

「断ったら、お前を犯人にするよ?警察に嘘言って」

無茶苦茶だが、何か友人が怖くて堪らなかった。怖くて怖くて…

包丁を手に持たされると、拒否出来なかった。

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「…っ無理」

目を閉じて、包丁で腕を切り落とそうとしたが、骨が固くて切れない。

「じゃあ、肉だけ削ぎ落として」

友人が抑揚のない声で言ってくる。これは材料だ、これは材料だ…人間じゃない。そう思い込まないと、まるで自分が殺人を犯している気持ちになる。

ぐにぐにと、気持ち悪い皮膚。ガタガタ震えて止まらない。これを削ぐ…相手痛くないかなとか意味不明な事をずっと考えてしまう。意を決して力を込めると、大量の血が出てきた。尚も肉を骨だけ残して削ぎ取っていく。

「これで、お前も死体遺棄の共犯な。警察に俺が自主しても、お前もなんらかの罪はあるだろう」

共犯…それを聞くと冷静な気持ちになれた。さっきまで一方的に脅される弱者の立場だったけど、対等になったような。

「俺は一切食べないから。お前が食べろ」

「分かった。約束する」

「大腸とか、脳みそとかどうするんだ?」

「そこは、俺食べれないから近所の野良犬にでもあげるよ」

本当に頭が弱いと思う。舌打ちしてしまう…

切り取った腕の肉は、野菜と共にウスターソースとペッパーと一緒に炒めた。死体の腕にはタオルを被せた。あんなグロいの、長い間見たくない。

「…出来たよ」

友人に渡すと、躊躇いなく食べた。

「…ちょっと固いな。でも不味くないよ。普通に美味しい」

これからどうしようか、悩んだ。これは続ける訳にはいかない。アパートの男子全員殺すなんて不可能だって事を、この頭の悪い友人にどうやって説明しようか…

次回最後です

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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