とある山荘でのお話
俺はA、Bと、○○○山荘に来ていた。そこは地元で有名な心霊スポット
坂を登り、入り口につくと俺は携帯のボイスレコーダーを起動させる
俺「えぇ~只今○○○山荘の入り口につきました。それでは中に入ってみようと思います」
俺は携帯を口元にあてて録音を始める
A「お前くだらんこと好きじゃな」
俺「えかろうが。帰ったらなんか声がはいっとるかもしれんで」
目的地は屋上だ。山荘の中はゴミだらけで荒れ放題
俺達はBが持ってきた小さな懐中電灯の灯りを頼りに上を目指す
俺は様子を録音しながら一番後ろを歩いていた。特になにか出る様子はない
このままじゃ面白くないから、ちょっと二人をビビらせてやろう
そう思い、俺は静かに二人から距離をとると、横の部屋に入る
探しに来たところで飛び出す作戦だ。俺は息を潜めて待つ
足音が戻ってきた。今だ!
俺「わぁ!」
……反応なし
俺「あれ?びびらんかった?」
A「行くぞ」
そう言ってAとBが歩き出す
完全に滑ったな……俺は黙って後ろを歩く
俺「あれ?逆じゃない?」
B「こっちからでも上に行ける」
俺「ふ~ん。しかし暗くて全然見えんなぁ」
Bはここに来たことあったのか?そんなことを考えていると後ろから足音が聞こえてきた
俺「なぁ後ろから足音がするで……」
振り返る勇気はない。するとAが静かにこう言った
A「走るぞ」
AとBが走り出す
俺「ちょっ待ってや!」
俺も慌てて走り出した
後ろの足音も早くなる。追ってきた!
俺は足が遅い。AとBは先に行ってしまう。足音はどんどん近くなってくる
ヤバいヤバいヤバい!
AとBを追いかけ、階段をかけ登り、俺はパニックになりながら必死に走った
もう足音は俺のすぐ後ろまで来ている
もうダメだ!
そう思った時、俺は服を掴まれた
「……い!おい!」
俺の服を掴んでいたのはAだった。後ろにはBもいる
俺「えっ?」
A「お前バカか!死にたいんか!?」
俺の一歩前の床には大きな穴が開いていた
AとBはいなくなった俺をずっと探していたらしい。やっと見つけたと思ったら突然俺が走り出したそうだ
じゃあさっきまで一緒にいたAとBは?そう言えば灯りを持っていなかった……
家に帰り、俺はボイスレコーダーを再生してみた
そこには俺の声もAやBの声も録音されてはいなかった
怖い話投稿:ホラーテラー Mさん
作者怖話