ある、
雨の降る日のことです。
午後から急に降り出した雨は、
小雨だった。
直ぐに止みそうだったが、僕には雨宿りをしている時間はなかった。
学校帰りの無防備な僕の体は、
ゆっくり雨に濡れていた。
しかし、
次第に雨は激しい雨に変わり初めた。
今日は、
母の墓参りに行く予定だったが、
さすがにこの雨の中行くのは無理だと判断し、
まだそんなに濡れてない僕は、
雨宿りすることにした。
少しでも勢いが弱まれば帰れるのに…
何て思っていると、
横に綺麗な女の人(20歳ぐらい?)が入って来た。
その人は、
雨の中を傘もささずに歩いて来たにも関わらず、
全く濡れていなかった。
僕は、
不思議に思うのと同時に、どことなく恐怖を感じた。
雨の勢いは一向に弱まる気配がなかった、
しかし、
これ以上この女の人と居るのが嫌だった僕は、
濡れてもいいから帰ることにした。
その時です、
「女の人がちょっと待って」
と言ったのが聞こえた。
一瞬は足を止めたが、
やっぱり無視して帰ることにした。
そして、
びしょ濡れにはなったが無事家に着き、
着替えた後、
なんとなくニュースを見ていると、
土砂崩れによって形は変わっているが、
さっきまで僕が雨宿りをしていた場所が映った。
いったいいつ土砂崩れが起こったのか。
そう思いながら、
ニュースを見ていると。
起こった時刻は僕が、
そこを離れて凄ぐだった。
あの時、
女の人の呼び止めに応じていたらきっと僕は死んでいた。
そのニュースの2日後、
土砂の下から人の死体は出て来なかった。
女の人は、
土砂崩れに巻き込まれなかったのだろうか。
それともあれは、
幽霊だったのだろうか。
怖い話投稿:ホラーテラー 翔さん
作者怖話