続きです。
逃げるように幹線道路へと辿り着き、コンビニへ入った。コンビニの前に座る不良達をこんなにも愛しいと感じたのは生まれて初めてだ。
少し落ち着いた私達には確認しなければならないことがある。
トランクを開けること……
不良達の前で必死にジャンケンをする4人。
トランクの前にはM。
1メートル後ろに3人。
ガチャっと乾いた音を立て持ち上がるトランク。
S「何かある?」
M「な……何もない。来て大丈夫。」
覗き込むとやはり何もない。
ただ勘違いであるはずはない。4人が何か音を聞いたのだから。
夜も明け始め、家に帰ろうと車に乗りこむ。帰路の中、後部座席の二人。
私「かなり怖かったね」
M「ね。特に女の方ね」
私「……特に?」
M「特に。男はまだ大丈夫っぽい気がした」
私には女しか見えていなかった。
私「あの女、手で俺たちの事、振り払ってたね。近づくなって警告してたのかね?」
M「……招いてた」
私「……?」
M「あれは手招きしてたんだよ。男は叫んでたし。CD気づかなかった?」
私「CD?」
M「飛んでるCDだよ。飛びながら …マ…テ……。…コ…イ… って言ってた。」
そう話したMを見て、私は怖くてただ下を向いて目を閉じていた。
人によって見えるモノも見え方も違うことを学んだ。
家に帰り、タバコを吸う私達を嫌い、部屋の隅で大量の水をがぶ飲みするMがいた。
火が怖いんだね。
喉が渇いているんだね。
人によって見えるモノも見え方も違うことを学んだ。
CDの話をしていた時、Mの横に全身の皮膚を焼かれた子供が座っていたのを私は見た。私はただ怖くて下を向いて目を閉じていた。
トランクに入っていたのはこの子だ。
初投稿で誤字・脱字等あると思いますが、読んでくれた方、本当にありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー マヨさん
作者怖話