続きです
私「はい・・・もしもし」
?『やっと出てくれたねぇ』
鳥肌が立ちました、あの男です
笑いをこらえるような喋り方、時々涎を啜る様な音が電話口から聞こえます
私は、録音ボタンを押しました
私「本当に誰なんですか?何故携帯まで知ってるんですか?」
?『知りたいー?』
私「はい」
教師の中で私が携帯の番号まで教えているのは女性の担任含め三人、後の二人は男性ですが、この声とは結び付きません
?『最近は生徒と仲良くしてると良い事がたくさんあるよねぇ、ふふふ』
私「・・・どういう事ですか」
?『ひーみーつ、それよりデートしてよぉ、由香里ちゃんが黙って卒業しちゃえば、晴れて生徒と教師じゃなく、男と女、卒業したら迎えに行くよ・・・』
私「・・・録音してますよ」
しまった!逆上されるかもしれない、と思った時には遅く、電話は切れました
手にかいた汗を服で拭い、呼吸を整えました
両親と、担任に、録音したものを聞かせましたが、分からないとの事で、それからすぐに私の携帯も非通知拒否したので連絡はなく(拒否しても履歴は残りますが、数件だけでした)
諦めたのか、私は何の障害もないまま卒業し、大学に通い始めました
警戒も段々と解かれ、友達と夜に遊ぶ事も増えてきました
でも最近、留守番電話によく分からない番号から着信が・・・
小声で
『アーソーボ・・・アーソーボ・・・アーソーボ・・・アーソーボ・・・』
と、録音時間一杯に入っていました、小声過ぎて、男なのか女なのか、子供なのか老人なのかすら分からない声で、でもたまにあの涎を啜るような音が入っていました
あいつだ
何度かかけ直しましたが、すべて出てすぐに切れました
それから私は家族と相談し、携帯、家電話の番号を変えました
そんな折に祖母が病気になってしまったので、来月引っ越す予定です
とりあえず今はもうすべての接触の手段は断ち切りましたが、今でも電話が鳴ると身構えてしまいます
お粗末様でした
怖い話投稿:ホラーテラー 香織の姉さん
作者怖話