短編2
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マンション殺人事件

ある日、仕事で遅くなり

自宅があるマンションに帰宅するのが深夜になった事があった

エレベータに乗り込み自分の部屋がある階に着くと

廊下に一人男が行て、入れ違いにエレベータに乗り込んだ

一瞬で顔は良くは見えなかったが

服に返り血のような物が付着していた…

その時は、見間違いかそういう柄の服だとしか思わず

さして気にしなかった

それから数日後

俺は仕事の疲れからか、休日だったので午後まで寝ていた

特に用事も無かったので家でのんびりしていたら

『ピンポーン』

家のベルがなった

玄関に出ると、男が一人立っていて

「警察の者です…」と名乗った

話を聞くと

数日前の深夜、マンションのこの階で殺人事件があったらしく

その時間に誰か不審な者を見なかったかと聞いてきた

日にちといい、時間帯といい

この間の遅く帰ったときのことを思い出したが

私は、せっかくの休みを邪魔されたくなく

面倒事には巻き込まれたくなかったので

「いいえ、何も見ませんでした」

と答えた

しかし、その男は何か確信があるのか

「本当に何も見なかったんですか?」

「あなた殺された人の無念を思ったことはありますか?」

「犯人が捕まらないと、殺された人は成仏しませんよ!!」

としつこく聞いてきた

私はあまりにも、その不躾な態度に腹が立ち

「見てなといったら見てないんだ!!」

と、少し強い語調で言い

無理やり玄関のドアを閉めた

男はまだ諦めが付かないのか

ドアを叩きながら

「本当は何か見たんじゃないんですか?」

などと言っていたが

私は完全に無視をする事に決め

リビングに戻りテレビを点けた

テレビでは、ニュースをやっていた

良く見ると、殺人事件のニュースだった

偶然にもさっきの男が言っていた事件のようだったが

妙な違和感を覚えた

テレビが伝えるには

現在、警察が犯人を捜索中で重要参考人と思われる

人物の写真を公開しているとの事だった

違和感の原因が解らず

私はそのままテレビを見ていたのだが

ふとある事に気づいて、背筋が凍った

先ほど、家に来た男の顔がテレビに映ったからだ

被害者の写真として…

家の中ではドアを叩く音と叩く者の声が聞こえてくる

「貴方本当に見なかったのですか!!

 殺された人の無念を晴らそうと思わないんですか!!」

怖い話投稿:ホラーテラー 地獄の園長さん  

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