高校時代、彼女とふたりで北海道旅行を計画したが
親にバレて断念して結局一人で北海道旅行をしたとき、
何故か銀行のキャッシュカードが使えなくなった。
窓口で確認すると磁気データが傷ついたかで読み取れないという。
しかたなく、その日は金のかからないようにホテル(予約しておいたので難なく泊まれた)に篭ったまま過ごした。
午後、ベッドでウトウトしてると突然身体が重くなるのを感じ、
目を開けると、小人が俺の周りをとりかこんで可笑しそうに笑っていた。
「ああ、これが金縛りというやつか・・・」と割と冷静な精神状態でその取り囲んでいる小人たちを眺めた。
小人たちは、どこからかエンピツを持ち出してなにかに擦り付けている。
目をこらして見ると、それは使えなくなったキャッシュカードだ。
(おいっ、何をする!!)と心の中で叫んだが声は出ない。
小人たちはおれの反応がおかしくてたまらないようで、止めずにエンピツをよいしょよいしょと動かして
カードの裏側を擦り付けていた。
暫くして体が楽になり起き上がると、俺はいつのまにかカードを手に握っていた。
しかし、エンピツでこすったような跡はなかった。
もちろん、小人の姿なんてない。
ハッと思いつき、ホテルを出て、近くのATMコーナーに行き、そのカードを入れてみた。
なんと、使えた。
金が引き出せたのだ。
まだ3時前なので、さっきの銀行に行き確かめてもらうとデータ的には完全に復旧している。
行員に聞いたら「こういうことはよくあるんですよ」と言っていたが…
怖い話投稿:ホラーテラー チェイニーさん
作者怖話