私が4歳頃、父の実家に住んでて大家族でした。二階に私達家族、一階に父の妹夫妻とお爺夫妻、そしてひい祖父夫妻が生活してました。
私の家系は漁師をしてたのもあり、家の前は庭ではなく海でした。姉がよく見る人で、場所が場所だけに大変だったみたいです。今回は姉ではなく、私が初めて体験した事です。
保育園にも行ってなかった私の日課は、一階の部屋の探索が好きでした。変な造りの家で、漁師だから日中は母以外は誰も居なく遊び放題です。みんなが帰って来る頃は二階に逃げてます(笑)
そんな日々を過ごしてたら、いつもは居ないはずのひい祖父夫妻の部屋に2人がテレビを見ながらくつろいでます。ひい祖母が私に気付き、手招きしながら隣に座らせます。こたつが出てたので季節は冬になります。ティッシュに包まれたお菓子を貰い、一緒にくつろいでから二階に戻ります。
その日から
私の日課が変わりました。
はい!そーです!
お菓子の調達です。
部屋を覗くとひい祖母が私に声をかけ、隣に座らせてからお菓子をあげる。
部屋はたぶん4.5畳くらいでテレビがあり、こたつもあるから狭いはずでした。でも、子供ながらに気になってました。ずっと。
ひい祖父と喋った事が無いんです。この狭い空間で顔もまともに見た記憶もなく、いつも座椅子に寄りかかり、テレビを見てるだけです。私達に背を向けて。
そんな日々に、ひい祖父はお化けだ。と思ってましたが、恐怖なんてどこ吹く風…お菓子には勝てませんでした(笑)
隣にひい祖母が居たから安心してたのかもしれません。変わらずお菓子の調達には行ってました。
でも、ある日からひい祖母の姿が見えなくなりました。
相変わらずひい祖父はテレビを見てます。お化けと2人きりは嫌だったし、ひい祖母が居ないから入れなかったんです。
その時からお菓子調達は断念しました。
私達家族は、私が幼稚園に上がると同時に引っ越したので、ひい祖父がお化けだった事は隠してました。
月日が流れて、5歳年上の姉と昔話しで盛り上がってました。怖い話しをしてたので、ひい祖父さんの事を聞いてみました。
…が…逆でした。
ひい祖母さんが、私が生まれる前に既に亡くなってると。
…?…??。
お喋りしたり、お菓子貰ったり…温もりもあったはずなのに。
私の中では、ひい祖父がお化けじゃなかった事がショックでした。
母にも確認したら、私を妊娠してる時に亡くなったとの事です。
姉の解釈では、嫁(母)・姑の仲が悪く、母の味方がひい祖母だけだったみたいで、私の成長を見に来たんじゃないのかな。と話してくれました。
私はずっと、優しいお化けさんからお菓子を貰ってたんですね。
おしまい。
怖い体験は、私より姉が多いので次回書かせて戴きます。宜しくです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話