こんばんは
「亡霊山」を登校させていただいた者です
今回、ふと思い出したことがあったのでまた登校させていただきます
一年ほど前の、ちょうど今頃まだ部活をしていた僕は、朝起きた絶望感に負けて部活をサボり、町をうろうろしていました
その途中、友人のH君宅の近くの入り組んだ道をぶらぶら廻っていたときでした
ふと、何十年も前につぶれてしまったかのような歯医者が見当たりました
ここで昼までヒマをつぶそうと思い、入り口のドアに手をかけましたが、当然開きません
その歯医者は通路にあわせるようにして細長く作られており、大体半分は倉庫?のような、適当なつくりになっていました
その倉庫の両開き扉をあけようとしたのですが、やはり開きません
ですが、扉のわずかな隙間から中を見ると、どうやら中にある取っ手部分に紐がまいてあるだけで、簡単に入れそうでした
僕はエナメルバッグから筆箱をとりだし、カッターを扉の隙間に入れて、その紐を切り、扉を開けました
中は薄暗く、本当にめちゃくちゃで、埃は当たり前、なにやら梅干をつける壷?みたいなものまでなんでもありました
僕が入ってきた扉の正面には、分厚い鉄の扉が開いており、中には大量のゴミと、上に上がる階段がありました
扉から向かって右には、通路と、やはりゴミ、ごみ、GOMI
白い机なんかもあって、その周りにはカルテ?かなんかがめちゃくちゃに散乱していました
僕はそれらを避けながら、通路の先にある引き戸に手をかけましたが、やはり開かない
仕方なく視線をそのまま左にずらすと、庭に出るための窓があり、そこから出ればどこかに入れるかなと思い、そっちから一旦庭にでました
庭はもう手入れがされていなく、どでかいクモやら葉っぱなんかが落ちまくってました
庭に出ると案の定、他の部屋に行くための窓が見つかりました
マドはバリバリに割れていて、簡単に進入できました
どうやらここは和室?の様で、やはりゴミやら服が散乱していました
向かって右には、また引き戸があり、そっちに入ると、なんというか昭和風?な感じの部屋にでました
その部屋は玄関に直結していて、天窓から差し込む光が印象的だったのを覚えています
その部屋をそのまま玄関方向に進んでいくと、右のほうに引き戸が見えました
そこを開けると台所があり、正面には二階に上がる階段が見えました
台所は興味がなかったので、そそくさと二階にあがると、階段をはさんだ向こう側に、子供室が見えました
なんでこんなとこに部屋つくるねんと思いつつ、その部屋に侵入、いろいろと物色していました
このへんから何かおかしいと思っていたのですが、卒業アルバムから修学旅行の写真、化粧道具からタバコまで、何から何までそのまま残っているんです 部屋はごっちゃごちゃですけど
で、色々と物色しているうちに、妙な布を見つけました
明らかに何かをくるんであるなと思い、その布を解いた瞬間、背筋に絶対零度が走りました
大量の髪の毛です
以前この部屋に住んでいた人の髪の毛なのか、人形か何かの髪の毛なのかは分かりませんが、髪の毛です
何のためにこんなものを・・・と思い、そっと布でくるみ、また元に戻しておきました
その後、二階をぐるっと回り、また玄関の部屋に戻ってきました
今度は左手にあるドアをあけると、そこは手術室?でした
歯医者に行ったときに寝かせられる、あのベッドはもちろん、歯形のサンプル、そのサンプルを作るための機器まですべてがそろっていました 錆びまくっていましたが
このあたりで異常を感じて、外へ緊急避難、そのまま家に帰り親にキレられるという散々な一日でした
今でも思う、あの一家に、何があったんだろう?
※後日談
後日、B君と一緒にまた歯医者に行きました
B君も髪の毛を見て絶句してましたw
その後、夜中にまた行こうとしたのですが、取り壊し作業が始まっていました
僕らが入ったからなんでしょうか、それとも前々から決まっていたのか、すべては謎のままです
最後に、あの歯医者からもってきた手帳に書かれていた文章をのっけます
きょうは気持ちよくはれいているが、でもなんと、つまらない日々だろうか。
私の前を通りすぎていく、クラスの仲間。
ただの人のら列にしかすぎない。
つまらぬ、人間性のない人間。
私の心には、いろんな事がひっかかっているのはよくわかっている。
無味閑寂な人間関係、心があせりだすような勉強のこと・・・。
私はずいぶん苦しい。なんとなく一日をすごして、友と話しているときは、それなりに、楽しそうに話して、しかし、ふいに、一人になったときに、つまらなさが、むなしさが、あじけなさが、
ここで止まってしまってます
ちなみにこの手帳の最後のページに、万博博覧会のスタンプが押してあったので、大体書かれたのは1970年ごろだと思われます
お目汚し、乱文、長文、失礼いたしました
怖い話投稿:ホラーテラー きつねさん
作者怖話