正直、最初は彼女に会いたくはなかった。周りも反対していたが、家族に半強制的に会わされた。
俺の彼女の第一印象は“馴れ馴れしい”だ。いろんな人がいる中で、彼女は誰に対しても温かく接していた。
A「彼女は素晴らしい女性だわ。あたしの話を真剣に聞いてくれる。そう、まるで母親の様に受け止めてくれるの!」
数日後、Aが死んだ。きっとAは殺されたんだ。仲間の死に胸が痛んだ。
彼女は人が減ってもなにも変わらなかった。俺は彼女に会うのが怖くなっていた。周りの評価は様々だ。
B「私が彼女が好きではありません。私は知っています。彼女がAを殺したんです。次に会うときは一言言ってやろうと思います」
数日後、Bが殺された。死体は見つからなかった。
俺は気づいていた。AもBもこの中の誰かに食われたんだ。まさか俺も食われる側か……。
AとBが死んだことで、彼女と接する機会が増えた。
俺は本物なのだろうか……それだけが不安だった。Cはいつにもまして無邪気だ。
C「僕はお姉ちゃんが好きだよ。一番僕たちを理解してくれてる。でもAもBも死んじゃったんだ。僕もいつか殺されちゃうのかな?」
数日後、Cが死んだ。Cには一番ツラい思いをさせた。俺は反省している。
彼女と会って数年が経った。俺の周りには誰もいなくなっていた。しかし寂しくはなかった。
彼女は全てを殺したが俺を生かしてくれた。俺は全てを力に変えて強く生きている。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話