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短編2
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犬の思い出

これは私が体験した飼い犬の話です。

6歳の頃、私の家には小さな犬がやってきました。

その犬には、母が『チョビ』と名付け、私と共に大きくなり怪我も無く成犬へと育ちましたが、おっちょこちょいでもありました。

他の犬とは違い、全く吠えなく争いが嫌いで散歩中、他の犬が吠えると、すぐに抱いてほしそうな態度をしたりすごく臆病な犬だったのです。

しかしすごく優しい犬でもあり、チョビは、私が泣いてる時や、悲しい時すぐに寄って来てくれたり、チョビの好きな犬用のガムを持ってきてくれて励ましてくれました。

祖母が病気で寝込んでいる時も、ドアのガラスに鼻を当て、ずっとそばにいてくれて、誰よりも最後まで祖母の近くにずっと居てくれてました。

そしていつしか祖母は亡くなり、私は中学生になった時に祖母の部屋を使うことになりました。

そしてその半年後、チョビも後を追う形で祖母の所へ旅立ちました。

寿命だったと言われました。でもそれはまるで、走って追いかけているみたいだったのです。

まるで祖母を追いかけてるように。

そして時間が過ぎ、また子犬がうちにやってきました。

名前は牛みたいな色だったのでモォという名前にしました。

モォは大人しく、チョビと似ている犬でした。

しかし、モォが来てからというもの、家の中がすごくにぎやかになりました。

モォではない走る音が聞こえたり、壁にぶつかった振動がきたり…モォは大人しく一人で遊んだりしないのに、一人でじゃれたり…

自然に頭の中はチョビが帰って来てると思うようになりました。

でもモォは、酔っ払ったクソ野郎にお腹を蹴られ、わずかな年齢で終わりを遂げました。

…私はすごく悲しみました。

ただただ、ごめんねとしか言えず、ずっと部屋に引き込もってしまいました。

高校には入りましたがずっと学校に行けない状態も続きました。

そして出席日数もそろそろやばい中、さすがにこれ以上迷惑はかけられないと思い、学校に行こうとしました。

すると、ドアのガラスの向こうに影が見えました。

私には犬に見え、すぐ近寄ったのですが何もいなかったです。

しかしガラスをよく見てみると、

2つの鼻の形と鼻水?の跡がくっきり残ってました。

私はずっと泣いてしまいました。

それからというもの、足音などは聞こえませんが私は真面目に学校に行けるようになりました。

あの二匹が最後にくれた勇気だと私は思います。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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