中学の頃の野外合宿の話。約20年近く前の出来事です。
関東のある高原に、三泊四日、学年全員そろってバスで行きました。
二日目のオリエンテーリングの日、一人の生徒が途中で斑のメンバーからはぐれて行方不明になりました。
引率の先生と、合宿所の職員が総出で探した所、沢で死んでいるのが見つかりました。
半ば水に沈み、うつぶせになって頭から血を流していたそうです。
その後で警察も来て、同じ斑の人達が色々聞かれていました。
どうやら、何かの拍子に単独行動してはぐれ、沢で足を滑らせてしまったのだろうという話です。
みんな口数が殆どなくなり、泣き出して取り乱す生徒も出てきて、ある種のパニック。
事故のため、緊急で全員帰途につきました。
帰りのバスで、ふだんからクラスでいじめっ子として威張っているA君が、ふてくされ始めました。
「なんだよ、2日で帰ったらまた授業だろどうせ」
だるそうに前座席を蹴飛ばして、悪態をつき始めました。
しまいには、前座席の子(時々いじめられているおとなしい子)の髪を引っ張って
「どうせなら、お前も死ねよ。休み増えるんじゃないか?」
笑いながら言い始めました。
先生は頼りなさそうな、女の先生で、ちょっと注意する程度であまり積極的に止めませんでした。
A君は、それも飽きて窓から手を出して、ぶらぶらとした途端
「ぎゃっ!」と叫びました。
先生が血相を変えて確認したら、木か何かにぶつかったようで、
A君の手首の下あたりが折れ曲がっていました。
「それ、あいつの呪いだよ。次はきっと死ぬんじゃないか?」
前座席の子が、A君の苦しんでいる姿を見て、口元を歪ませ笑い出しました。
いつもビクビクしている感じの彼がそんな表情をした所を、みんなも初めて見たので、バスの中は静まりかえりました。
現実離れした光景が未だに印象に残っています。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話