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中編3
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帰り道の幻影

私が中学生のときの話です。

私は、その日好きだった男子に告白をしようと思っていました。

手紙を渡し、放課後、教室に来てくれるよう頼みました。

しばらく教室で待っているとその男子がやってきました。

「話って何?」

私は決心し、告白をしました。

「ずっと好きでした!よかったら付き合ってください!!」

その男子は少しビックリしたようなカンジでした。

が、返事は

「ごめん」

そう言うとその男子は教室から出て行ってしまいました。

私は、その時かなりへこんで「もう嫌!」と泣きながら家に帰ろうとしました。

昇降口を出て、校門を出ようとしたとき、校門の横にあの男子が立っていました。

私は泣きながら

「今日はごめんね。」

それだけ言い帰ろうとした時、腕をその男子につかまれました。

「え!?」

驚きましたが、少しうれしかったです。

ですが、この時点でおかしいことに気付いていればよかった

そのまま腕を引かれ私は帰り道を、その男子と二人歩いていました。

「最後に一緒に帰ってくれてるのかな?」

そう思いましたが、そんなことはどうでもよくなっていました。

憧れのその男子と一緒に帰れている、それだけでもう、ほかの事には気が行きませんでした。

しばらくすると私の家が見え始めました。

「今日は本当によかった」

そう思いながら私の家の前まで来ました。

「本当に今日はありがとね!」

そう言い、手を解こうとしました。

ですが、解けません。

それだけか、その男子は私の方を一切見ず、そのまま道を歩き続けようとしていました。

ここに来て初めておかしいことに気付きました。

「痛い!痛い!」

その手にはもの凄い力が入っていました。

そのまま引きずられるように、私は歩き始めました。

「ねぇ!放して!!」

泣きそうになりながら、言いましたが手は緩みません

男子はまっすぐ前しか見ていません。

歩き方も少しおかしかったような気がします。

しばらく行くと、立ち入り禁止の看板が立てられた、まだ建設途中の橋がありました。

曲がるのかとをもいましたが、そのまま看板をはねのけ、中に入っていこうとしました。

「だめ!そっちは危ないよ」

腕を引っ張り返した瞬間、男子が始めて口を開きました。

「もう嫌なんだろ?」

恐ろしいほど低い声でした。

そして顔がこちらを向きました。

男子の顔ではありませんでした。

口は耳元まで裂け、目は白目をむいていました。

「きゃああ!!」

何とか手を振りほどこうと力の限り手を振りました。

その度にその化け物の爪が皮膚に突き刺さり、出血しましたが、そんなこと気にしてられません。

こいつは私を橋下に落とす気だ。

そう直感していた私は、必死に逃げようとしました。

腕の皮が引き剥がされそうになるくらい引っ張られ、そのうち意識がもうろうとしてきました。

もう駄目だ、そう思ったとき 後ろから声が聞こえました。

「何してんだ!!お前!」

振り返るとあの男子がいました。 本物の

そこで私は気絶してしまいました。

目が覚めると私は病院のベットにいました。

隣には母がいて、そしてあの男子が。

私、どうなっちゃったの?

頭の中が混乱状態になりましたが、母が

「全く!坂で転ぶなんて馬鹿なんだから!!」

頭の中が?でいっぱいになりました。

転んだ? あの化け物は??

男子「じゃあ、俺はこれで」

母「どうもありがとね〇〇君。

ほら、あんたもお礼言いなさい!」

わけも分からず、取り合えず会釈だけをしました。

母「本当にどうもありがとね」

男子はそのまま病室を出て行きました。

そのあと母に何があったか聞くと、あきれたように

「あんた、自分で転んだことも分からなかったの!?本当馬鹿なんだから!」

どうやら、母の話では私は家の前の坂でヒドイ転び方をして、気絶しているところをあの男子に助けられたそうだ。

では、私が見たあの化け物は!?

私が聞いたあの声は!?

退院してからその男子に聞いてみましたが、母が言っていた事と同じ事しか言ってくれませんでした。

いまでも、私の腕には転んだにしては不自然すぎる傷が残っています。

怖い話投稿:ホラーテラー ネギさん  

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