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中編4
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塔の祟りか…。

皆さんは鎌〇や逗〇方面で心霊スポットと言ったら、何処を連想しますか?

小〇トンネル・サリーちゃんのおうち・サザエさんの家・朝〇奈峠…etc

有名なスポットはいろいろありますが、《N塔》と言う場所はご存知ですか?

鎌〇と言っても大〇寄りなので観光気分で行った人はなぁ〜んだと思うかも…。

観光気分と言ったのはこの《N塔》は鎌〇市の指定有形文化財である為、由緒ある物であります。

このN塔は昔から祟りの塔と呼ばれ、あまり良い噂は聞きません。

今は鎌〇市の物になったので自由に見られるが、ちょっと前まではJRの工場敷地脇にあり、許可無しでは見られなかった記憶があります。

それでは、このN塔に関する話を始めます…。

前にも出て来た、自分の幼なじみでもある1コ上の健先輩が話をしてくれた…。

健先輩は23歳の時に高校の時から付き合っていた百合さんと結婚…。

そして34歳の時、念願だった家を購入する事にした。場所は鎌〇の深〇に一戸建ての家を35年ローンで購入…。

健先輩の生まれは鎌〇らしく、自分が家を買う時は絶対に鎌〇にすると心に誓っていたらしい。(何故だか不明…。)

引っ越しの時は地元連中が総出で手伝ったので、あっと言う間に運び終わった。

何日かして健先輩が、

『家も片付いたから、今度の土曜日にうちでバーベキューでもやんべぇ〜よ。』

…と言い、引っ越しを手伝ったメンバーに連絡をする役目を仰せ遣った。

全員は集まらなかったがほとんどOKだったので8人が健先輩の家に御招待された。

お酒も飲むので皆、電車で大〇駅で待ち合わせして、モノレールで深〇まで…。

窓から見る鎌〇の山々と街並みのコントラストは優雅な雰囲気を初夏の風と一緒に漂わせていた。

深〇の駅から健先輩の家は歩いて5分…。

直ぐに家の前に着いた。

ピンポ〜〜〜ン…。

チャイムを鳴らすと健先輩が出て来た…。

『おぉ!来たか…。まっ、中に入れ…。』

健先輩はバーベキューの用意をしていたらしく、ねじりハチマキにダボシャツ姿は全盛期を思い浮かべるほどだった。

自分達も買って来た食材やアルコールを用意して庭に向かった。

宴が始まり、少しして気になった事があった…。

奥さんの百合さんがいない。

自分は健先輩に聞いてみた…。

『健先輩…百合さんは?子供達(一男二女)は?』

すると、健先輩は口を濁らせ、話を変えようとした。

『何か…あったんですか?喧嘩でもしちゃったんですか?』

健先輩は一つ溜息をついた後、重い口を開いた…。

話の内容はこうだ…。

引っ越してから直ぐに百合さんの母方の親戚が母親と一緒に来て、せっかくだから鎌〇を案内する事にした。

鎌〇の観光地を一通り回った後、家の近くに有形文化財がある事を知り、歩いて直ぐだからと言って見に行った。

その場所に着いた時から百合さんは気分が悪くなり、早めに帰ろうと急かした。

しかし、親戚の叔母はえらくその場所が気にいって、説明文が書いてある看板、全てに目を通し始めた。

その裏には戦死者を祠、やぐら(鎌倉時代末期に洲崎古戦場が付近にあった事で葬られているらしい。)まで見に行ったそうだ。

親戚の叔母は百合さんの実家に泊まるので車で横浜まで送った。

その日の夜中、百合さんの実家から電話が入り、叔母が倒れたと言う知らせ…。

直ぐに健先輩と二人で病院に向かい、母親から話を聞いて驚いた…。

叔母は横浜に戻って百合さんの実家に着くなり、えらく上機嫌で話しをし始めたそうだ…。

そのうちに塔の横で女性が睨んでいただとか、やぐらの奥で落武者がこっちに向かって来たとか、訳の判らない話を始めたらしく、百合さんの母親は宥めるのに苦労したそうだ。

その夜中…布団に入り少し経って、うめき声と共に泣き出してから胸を押さえて苦しんだ後に直ぐ、白眼をむいて倒れた…。

その叔母さんは独身なんだそうで誰も居ない為、母親と百合さんが交代で病院に行っているという訳だった。

そして不思議な事にその場所に行った時、百合さんも母親もその場から早く立ち去りたいと思っていたそうだ。

誰かにジッと見られている視線を感じるとともに殺気を感じたそうだ。

その叔母も倒れた時は軽い心筋梗塞だったそうだが、大事には至らなかったらしく一安心はしていた。

だが…百合さんも母親も同じ事を健先輩に言っているそうだ…。

『叔母はもう…長く無いと思う。

だって…がっちりと女の人が叔母の身体にしがみ付いているのが、見えたんだ…。その女の人…叔母の顔に頬ずりしていたの…。』

自分達、横浜の人間も噂には聞いた事があった場所だが…。

健先輩いわく…。

『昔から知ってはいたんだが、側に寄る事が無かったんで気にもしていなかった。

でも…この間な、側をチャリンコで通っただけでよ、異様な気配を感じたよ…。

子供等にもマジ顔でアソコには近づくなと言っといたよ…。いろんな意味で弱った奴は持っていかれんぞ…ありゃぁ…。』

歴史のある土地…。これまた、いろんな意味で怖いと感じた…。

―・終・―

怖い話投稿:ホラーテラー 濱っ子とうちゃんさん  

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