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短編2
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自殺病院2

ここから、別視点です。あと5話以内で終わります。

「…ん、今日は何しようかな?」

私はお腹を撫でる。昨日干したての布団で今日は起きた。可愛い可愛い私の子供…

「…っぁあ」

ほら声も聞こえる。しばらくすると看護婦さんがやってきて3人で病院内を散歩した。

私が自殺して、ここに来てからもうどれくらいになるだろう。初めは暗い部屋に入れられて、その後先生に会ってこの綺麗な別室に連れて行かれ、ご飯を食べたり本を読んだり比較的穏やかな日を過ごしている。

私は死んでるから老いることはなく美しいままだし、子供も小さいままいつも私と共にこうやっている。

生前は色々悩んでたけど、ここにいる人たちはみんな優しいし、カウンセラーの先生も親身になって聞いてくれる。私は…今とても穏やかな生活を送っている。

「…?」

何だろう。今日はいつもとお散歩ルートが違う。

…嫌な予感がする。分からないけど一気に鳥肌が立つ。

「…あのね、看護婦さん」

「…ん?」

「あの…」

「…ん?」

「…どこに行くの?」

「…ん?」

様子が絶対変だ。

ガタガタ震えが来る。そのまま看護婦さんが扉を開けると、大きな門が広がっていた。

「おめでとう。退院だよ。桜ちゃん」

どこからか先生がやって来て微笑しながら手を叩いてる。はいっとガーベラの花束を私にくれた。でも私は呆然としている。

「…私…私」

そのまま看護婦さんにずるずると連れていかれ、門の前に立たされると背中を軽く押された。

「ぃやぁああああああああああ!!」

門の中に入ってしまい、振り返って戻ろうとするが、入口が閉まっている。

「開けて下さい!…開けて下さい!」

ガンガンと扉を叩いていると、背中を捕まれた。振り返ると暗闇の中から真っ白な手が現れた。どこから生えてきてるかきているか分からない、長い長い真っ白な手。

「…あ」

そのまま私の腹に向かって手を伸ばされると、止める間もなく腹に腕を突き刺された。

「ああああ!!!?」

何故か意識はある。そのまま手は中にいた胎児…私の赤ちゃんを奪っていった。

私の赤ちゃん…こんな外見だったんだ。可愛い可愛い…目も開いてない。

…そのまま握りつぶされた。

「やぁあああああ!!」

手は消えた。ぽっかり空いた穴。必死に赤ちゃんを探すと何かに触れた。

「…ガーベラ」

先程貰った花束をお腹の中に入れた。

ああ…落ち着く…

再び、手が伸びてきて腹に手を捩じ込み奪っていった。

黄色くひらひらと舞っていく。私のお腹から…これ以上奪わないで欲しいのに。何で?何で?私の赤ちゃんはどこに行ったの?

「ああ…ああああ!!」

その様子を聞き、医者は溜め息をついた。

「生前はお腹にいる、将来ある我が子も巻き添えにして、自殺したのに…こうなる事覚悟してなかったのかな」

そのまま次の患者の元に向かった。

怖い話投稿:ホラーテラー 携帯中毒さん  

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