プルルルル・・・
「はい・・・はい・・・わかりました・・・はい、今から行きます。」
俺は携帯電話をベッドに投げた。
「ったく、夜中に呼び出すなよ・・・」
今は深夜2時、俺はせかせかと下着から作業着に着替えると部屋を出た。
俺は最近このマンションに越してきた。このマンションは1階から12階。俺は11階に住んでいた。このマンションに地下はなく、駐車場は別にある、ちょっと贅沢なマンションかもしれない。
俺はこの階のエレベーターにつき、下へのボタンを押した。
エレベーターのドアが開く。
『うわっ・・・さむっ!』
エレベーターの中は異常に寒く、中にはこの時間帯には合わないサラリーマンや小学生位の男の子、髪の毛で顔が見えない女性がいた。
「失礼します・・・」
俺は1階のボタンをすばやく押した。ボタンを押した後はそこから動かず、ボタン達と向き合っていた。・・・そうするしかなかった。後ろや隅には不気味な人が立っていたからだ。
『ポーン、一階です。』
不気味な人達とは違うさわやかな女性アナウンスの声が響く。
俺はエレベーターを降り、一階に着くと、ホッとため息をつき、チラリとエレベーターの方を見た。
無事にエレベーターは下に降りて行った。
『えっ?』
俺はマンションの入り口にいる警備員に話しかようとしたが、警備員も驚いている。
「あれ~?このマンション、地下なんかあったっけ?」
このマンションには地下がない。
あのエレベーターはなぜ下に行ったのだろうか・・・後で管理人に聞くと
「あぁ~時々ああなるの、不思議でしょ?もしかしたら地獄にでも繋がってるのかな~」
管理人はそう言って笑った。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話