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短編2
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謎の男

これは友人のAとSと一緒に割りと山の方にあるKの家に泊まりに行った時の話だ。

離れに泊まってた俺たちは本家まで行くのが面倒で、家の脇で立ちションをしてたんだ。

ふと顔を上げると、森の中を人影がうろついていた。

怖かったが、俺達は好奇心から、その人影が何をしてるのか、近くで見てみる事にした。

近づいてみると、人影は男だという事に気付いた。

だが、近づくにつれて、その男に違和感を感じた。

その男の姿がハッキリと見える所まで来た時、その違和感の正体が分かった。

なんと、その男の顔は、普通の人間より遥かにデカかったのだ。

その時、男が俺達に気付いた。

俺達が逃げようとすると、男は、

「あなた達はぁぁぁ!!」と、森中に響く大声で叫びながら追いかけてきた。

俺達はパニックになり、

「うわぁぁぁぁ」

「怖ぁいよぉ」

などと叫びながら家まで全力で走った。

その間も男は、

「あなたた達あなたた達」と、叫び続けていた。

無事に家にたどり着いた俺達は、部屋でじっとうずくまっていた。

男は暫く家の周りをうろついていたが、やがて気配が消えた。

その間もずっと、

「あなた達、あなた達」

と、言っていた。

男の気配が消えたので、

俺達がホッと胸を撫で下ろした瞬間、Kが突然、

「あなた達は本当にかわいそうだよぉぉぉ!!!」

と言って暴れだした。

「あなたた達あなたた達」

「本当にかわいそうな人達だよぉぉぉ!!!」

「デスネ、デスネ、デスネェ」

あまりの恐怖に、俺達は部屋を飛び出し、Kを部屋に閉じ込めた。

暫く中の様子を見ていたが、

「ノウ●ノウ●ノウ●ギギギギギ」

(何て言ってるかよく分からなかった)

と叫んでKは頭をかきむしっていた。

その瞬間、俺達の恐怖は頂点に達し、みんな全力で自分の家まで逃げ帰った。

翌日、Kの様子を見に行くと、何事もなかったようにマンガを読んでいた。

どうやら、部屋での出来事を全く覚えていないようだった。

それからはあの男を見る事も、Kがおかしくなる事もなかった。

あの男は、一体何だったのだろうか。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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