怖くないです、スミマセン。
そして長いです、スマセン。
僕の同僚の奥さんは、いわゆる「見える」人なんです。
かなりはっきりと見える体質のようで、そんなエピソードは数知れず。
その中の一つを紹介すると、彼女は車が運転できないらしいです。
何故か。
車を運転していると、人が急に飛び出してくるから、と言っていました。
あまりにはっきりと見える為、こっちの世界の人間か、あっちの世界の住人か、区別がつかない。
そのため身構える事も出来ない。
結果、飛び出されると急ブレーキを踏まざるを得ず危険極まりない、との事です。
怖すぎます。
だからと言って暗くて常に俯きがちかと言うとそんなことはありません。
どちらかというと明るく快活な方で、そんな自分の体験エピソードをちょいちょいと語ってくれます。
看護士をしていて(…ご想像通り、この職場関係もエピソードの宝庫なんですが…)、きっちり仕事にも通っているみたいです。
自転車で。
もともと同僚はこの土地の人間ではなく、就職を機に引っ越してきたヤツでした。奥さんもそれに伴い地元を離れ、ここに引っ越してきたんです。
そんな事もあり、その奥さんも含め、僕の同僚と一緒によく飲みに行ったり、遊んだりしています(彼らに飲み友達とかいないので)。
僕はよく冗談で、「なんか憑いてない?だいじょぶ?」って聞くんですが、「無い無い。ばかじゃないの?」ってSっ気たっぷりの返答をしてくれます。
その日も僕、同僚、奥さんの3人で飲みに行っていました。
行きつけの駅前の○木屋です。
まぁ話す事といったら、職場の愚痴や、職場の愚痴、あとは職場の愚痴とかです。
2時間くらいウダウダと飲んで、酔いもいい感じで回ってきたときです。
ふと背筋に「ゾクッ」と寒気を感じました。
断っておきますが、僕は霊感ゼロ人間で、どちらかと言うと信じていません。
ただ怖い話を聞く事は好きなので、ホラテラもよく見てるんです。
なのでそんな寒気も、気にしなければ特筆すべき事じゃないんです。
自分に霊体験なんてあるはずが無いと、どこかで高をくくるっているので。
しかしその悪寒が走ったのとほぼ同時に、奥さんが同僚との話を打ち切って、急にこちらに向き直り、
「ねぇ、最近すんごいいいことか、マジで最悪なこととか、あった?」
って尋ねてきました。
あまりに急な話題の転換に「いや…別に?」としか切り返せなかったんですが、「なんで?」と聞きなおすと、「何でもねぇし」といつものようにSっ気たっぷりに返してきます。
ちょう気になる。。。
別の人ならまだしも、このお方にそんな事いわれちゃあ、ちょう気になるじゃない。
でもしつこく聞くと怒られるし、悶々としながらドMの僕は我慢していました。
その日はそれでお終い。
その後、その事には触れられず、お開きとなりました。
それが一週間くらい前の話です。
本題はここから。
次の日から、日々違和感の連続なんです。
まずその飲んだ次の日、仕事であるプレゼンの準備があった為、12時過ぎくらいまで仕事をした後帰宅しました。
3階建ての計9部屋という小さなアパートの、1階の一番奥の部屋が僕の住まいです。
その日部屋に入ると、何か違和感を感じました。
いや、人の気配がするとか、声がするとか、そんな事じゃないんです。
すごく微妙な変化なんですが、いつもある場所にあるべきものが無い。
たとえばテレビのリモコンとか、読みかけの小説とか。
すごく細かいことなんですが、「こんなとこに置いたか?」って場所にあるんです。
まぁ別にそれもそこまで気にする事じゃないか、空き巣に入られても盗られるものないし。
疲れていたこともあり、そう思ってその日は寝る事にしました。
次の日、外回りの営業をしているときです。
お客さんのところで商談をして、駐車場に停めてある自分の車に戻ってきたときです(ちなみに僕の会社は自分の車で営業するんです)。
バックミラーのところに掛けておいた「交通安全」のお守りが、切れて落ちていました。
「あらら」と思って拾ってみると、お守りの紐の切れ口が、茶色く変色していました。
焦げや日焼けかなと思いましたが、なーんかそれとも違う。
次のアポもあったので、気にせず出発。
そのまた次の日。
ある夢を見ました。
僕は部屋で寝ているのですが、真っ暗な中、「おじゃましまーす」とおじさんの声がして玄関が開き、靴を脱ぐ音がします。
「だれ。」と思いつつ、いくら待っても誰も入ってきません。
まぁいいやと思って目を閉じて寝ようとすると、耳もとで「よろしくね」と囁かれ、そこでガバッ!と起きたのです。
夢の中とはいえ、おじさんに耳もとで囁かれる体験は初めてだったので、最悪な気分の目覚めでした。
そして一昨日のこと、外回りの営業から会社に戻ると、後輩の一人から
「今日あそこの(会社の最寄の)セブンで、フライ○ーのグラビアがん見してましたね(笑)」と言われました。
いや、ちょっと待て。
仮にもまだ20代のオトコノコ。
確かに女子には興味深々だが、スーツ姿で、あそこのセブンで水着の女の子のグラビアに食いつくほどチャレンジャーじゃない。
「いや、声掛けたんすけど、無視して見続けてたじゃないすか。ほんと好きだな~。」
ばかばか。おれじゃないって。
必死に誤解を解こうとしましたが、「絶対見間違えないっすよ~」と取り合ってもらえません。
最後に今日です。
先ほどアパートに帰ってきたのですが、家の前に野良ネコがたむろしてました。
しかも4匹。
夜帰ってくると、いつも部屋の前にいる小さいネコが一匹いるんです。
なぜかは分かりませんが、そこがお気に入りらしくいつも僕を出迎えてくれます。
…と言っても、僕が近づくと柵の隙間から逃げていってしまうのですが。
今日は4匹。
さすがに気持ち悪く、少し躊躇いながらそれでも近づいていくと、3匹はいつものネコのように柵の間から逃げていきました。
しかし残りの1匹(薄い茶色)のネコは、僕の方に向かって走ってくると、足の間を通り、去っていきました。
で、今これを打っています。
特に何か見えたとか、そういうわけでは無いのです。
ただ…この一週間、これまで無かった奇妙なことが立て続けに起こっているため、心地が悪くてしょうがないんです。
それぞれ取り立てて怖いとかいうことでは無いので、お祓いに行くとかそういうことも考えていないのですが…
オチがなくて申し訳ありませんが、今進行形で起こっていることでしたので、報告がてら投稿してみました。
何かアドバイスなんかがあれば、ご意見頂戴したいと思います。
失礼いたしました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話