怖い話ではありません。
15年前に私と父が体験した、不思議な話です。
私は、父と二人でドライブしていました。連休中と言うこともあり、長い渋滞に捕まり、なかなか前に進みません。
私達の前には、H市ナンバーの大型トラックが居ました。長い渋滞だったので、嫌でも前に居るトラックのナンバーは覚えてしまいました。
渋滞のストレスを溜めないよう、沢山会話してました。
そのうち会話が途切れると、父はラジオを付けました。投稿者のリクエスト曲が流れてきました。父が好きなビートルズの曲です。
ラジオから流れるビートルズの曲を聞きながら、また父と他愛もない話。
渋滞から約1時間半。
やっと渋滞から解放され、前のトラックは反対方向へ走っていきました。
私「やっと抜け出せたね~」
父「かなり時間ロスした。予定が狂ってしまったなぁ」
父は、遅れを取り戻すかのように車を飛ばしました。
約30分後…
また渋滞に捕まりました。
父は顰めっ面をしながら溜め息。
父「…なんか、また混んできたな」
父「…あれ………???」
私も、不思議なことに直ぐに気が付きました。
私「…え???」
(このトラックは………)
30分前の渋滞の時、私達の前に居た、H市ナンバーの大型トラックでした。番号から、プレートの汚れ具合から、何から何まで皆同じ。
渋滞を抜け出した時、全く反対方向に走っていったハズでした。
父「このトラック、また戻ってきたのかな?」
単純に私もそう思いました。
ところが…
先程の渋滞の時に付けて、そのままにしていたラジオから、また聞き覚えのある曲とDJの声が…。
ビートルズ…。
私「コレ、さっきやってたラジオ番組じゃない?!」
恐る恐る、時間を確認しました。
……30分程前の時間でした。
そうです。
私達は、30分前と同じ渋滞に捕まったのです。父と私は、ワケが分からなくなりました。
父も私も無言になり、早く渋滞から抜け出せないかとハラハライライラ。
また1時間半後、H市ナンバーのトラックは、また反対方向の道へ行きました。
不気味に感じた父は、今度はそのトラックと同じ方向の道を選びました。
かなり回り道になりましたが、無事ドライブを終えて帰って来ることが出来ました。
あの時間のループは一体何だったのか…
いまだに謎のままです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話