顔に皺が出来始めた。今度は染み。ポツリポツリと増えていく。クリーム、薬を使っても増えていく一方。綺麗と言われた髪も艶が消えて、チリチリになった。
次第に体も悪くなってきた。足がしびれ、疲れやすくなる。次第に街に行くのも億劫になった。いつも遊んでたゲームセンターや、綺麗な服を試着したり。今では近所のスーパーにしか行けない。あれだけ街で買い物をするのが好きだったのに。
喉にはタンが絡む。苦しい。起き上がるのにも体力が必要。
ふと、鏡を見ると疲れきったお婆さんがいた。
子供子供とバイト先でからかわれ、学校を卒業してからは、新入社員。素直で良い子と言われたり、また良くからかわれていた。やがて後輩も出来て5年後結婚。
そして旦那が他界してからふっと時の流れを感じた。
『ああ…なんて早いんだろう…』
一人一人、友達も死んでいった。
昔クラスメートが交通事故で死んだ時、クラス中騒いで泣いた。
それが今では…友人の死が日常化している。寂しいが不思議な感覚だ。
こんな恐ろしい事がこの先起こるなんて思ってもなかった。そして…大半の人が体験する。
「…お母さん」
写真を見ながら涙を落とした。もし、生まれ変わりというのがあるなら、またお母さんの子供になるのかな。
ずっとずっとこれが繰り返されて…
少し楽になった。
ああ…
ただ、私は受け入れるしかない。
怖い話投稿:ホラーテラー 携帯中毒さん
作者怖話