皆さん、昔、グーニーズという映画があったのを、
ご存知ですか?
好奇心大勢な少年達が、 冒険を繰り広げる的な…
当時、小学生だった俺達は、その映画に、
とても影響をうけた。
そして、近所にある森を グーニーズの森と、勝手に 命名し、たけし、健ちゃん、俺の3人で、その森に足を踏み入れた…。
住宅地の傍にあるということもあって、広さは大してなかったと思う。
それを、知っていた俺達は、迷うことなど、頭の片隅にもなくズンズンと 奥へ進んでいった。
健ちゃん
『案外、広いんだな…そろそろ、どっかに出てもいいころだよなぁ…』
俺
『うん…なるべく真っ直ぐ進んだつもりだったけど…おかしいな…』
その時 近くの茂みから 何かが、動く気配がした。
ガサッ…ガサガサ…………
出口が見つからず、不安だった俺達は、顔を見合わせ、一斉に走り出した。
たけし
『いっ……!』
振り替えると、たけしが 木の根につまづき、
転倒して、うずくまっていた。
俺
『大丈夫か!たけし!』
駆け寄ろうとした俺達の足が止まった。
たけしの後ろに、真っ黒の影が見えた…
背丈は子供程で、真っ黒な身体に、能面のような顔のそいつは、
うずくまる、たけしの足を掴み、凄まじい
スピードで、森の奥へと 引きずっていった…
俺と健ちゃんは、しばらく放心状態のまま立ち尽くしていたが、
健ちゃんが、口を開いた。
『駄目だ……あれは人じゃない…俺達じゃダメだ…なぁ…!?そうだろ!?見捨てる訳じゃない…!そうだよな……!?』
俺
『あぁ……人間じゃない…大人を呼びに行こう!』
俺達は、がむしゃらに、森を走り、出口を探した。狭い森のはずなのに
中々、出口が見つからず、
外に出られた時には、
夜の10時をまわっていた。
俺達が、たけしの両親に 事情を説明すると、
警察や消防が捜索に入った。
捜索から2日経ってもたけしは見つからなかった。 警察に何度も話しをきかれたが、
信じてはもらえなかった。
行方不明になってから5日が経ち、諦めかけていたころ、たけしが、ボロボロの姿で、町を歩いているところを発見された。
しかし、以前のたけしではなかった。
目はどこか、遠くを見つめ、口からは、涎をだらしなく鳴らしていた。
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『何があった!?』
と訪ねても、
『しゃぁしゃぁ(?)……しゃぁしゃぁ……』
と、意味の解らないことを繰り返すだけ。
精神科に通ったが、一向に回復せず、お祓いにも行ったが、
『これは、私共でも無理です…命があっただけでもよかったと思うしか…』と、 言われるばかりだったそう。
俺と健ちゃんは、小学校を卒業してからも、
あの時、助けられなかった罪の意識から、
たびたび たけしの見舞いに訪れた。
少しずつではあったが、 多少の会話ができるようになってきたからだ。
とは言っても、会話のキャチボールは出来ない程度。
それから7年が過ぎ、
あまり、会うことも亡くなった健ちゃんと久しぶりに、会うことになった。
健ちゃん
『お前、最近たけしにあったか…?』
俺
『もう5年は会ってないな…両親の顔見るのも辛くてさ…』
健ちゃん
『俺さぁ…この前、町で偶然たけしに会ったんだよ……』
俺
『一人で、町を歩ける位に回復したのか…!?』
健ちゃん
『うん…そうなんだが…それがさ…』
健ちゃんの話しをまとめるとこうだ。
健ちゃんが、仕事を終え 帰宅途中に町で、たけしを見かけた。
健ちゃんが声をかけると、以前とは違い、会話も成り立つようになっていたらしい。あの時助けられなかった事を謝ろうと思い、
『あの時は助けられなくて、悪かった…俺も、あいつも、怖くて……ほんとごめんな…!』
そう言うと、たけしは
ニマ~っと笑みをうかべ
『ナンデ、アヤマルノ…?キミジャ、ダメダッタンダ…ヒロシ(俺)デモダメダッタンダ…』
と、また訳の解らない事を言い出した。
健ちゃんは、意味を聞こうとが、それをやめ、
軽く挨拶し、その場を立ち去った。
なぜなら、感情の無い笑みを浮かべ
『しゃぁしゃぁしゃぁ…しゃぁしゃぁ……』
と、またあの意味の解らない言葉を繰り返していたからだ。
健ちゃんは言っていた。
『確かにあれは、たけしだった…。たけしだけど、 たけしじゃかった…』
と…。
それ以来、たけしの話しはお互いしなくなった。 あの森も、未だに残っている。
ホラーテラーを見ていて 思ったが、 ヤマノケなどの部類の物に、遭遇したのだろうか…?
知ってる人いたら教えてください。
怖い話投稿:ホラーテラー ℃らみちゃんさん
作者怖話