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中編5
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パチンコ

実話です。

僕は、ギャンブル等、一切やらないのですが、極たまに(五年に一回位)パチンコに行くんです。

先日も、用事の前に暇な時間があった為パチンコ屋に行きました。

その時の話しです…

僕の座った列は新台なのか?人が沢山いて皆、結構出ていました。

二千円位入れて全然出る気配の無い僕の座った台。

単なる暇潰しだし帰ろか?と思い席を立ち振り返ると、真後ろの列は、ガラガラそこに、一番左端の入口側の台に一人の老人がいたんです。

老人の台は、出てる気配もなく、それよりも玉が台に入っている気配も無かったんです。

帰りついでに老人の台を後ろから覗き込むと、レバーは握っているものの玉は流れてません。

ボケた老人が、パチンコをやってる気で座ってるのか?そんな事を思い帰る為、入口に手を掛けた時、後ろからトントンと肩を叩かれました。

『え?』と思い振り返るとそこには、先程の老人が…

老人は僕に「あの台やらんか?」と先程自分が座っていた台を指差しました。

出る気配もなくギャンブラーでも無い僕は「いや、いいですわ」と断ると老人は、肩を落とし悲しそうな顔でまた、台に戻って行きました。

かわいそうになった僕は、老人の後を追って「千円だけやってみるわ」と老人の座っていた台に座ったんです。

老人は、入口近くの休憩所の様な所でニコニコしなが僕がパチンコを打っているところを見ていました。

玉も無くなりかけて「駄目だわ」と老人に告げた直後!

回っていたデジタルのルーレットがリーチ状態に!

『どうせこんだろ』と思っていると…

きたんですよフィーバーが!

その後出るわ出るわ!あっと言う間に30箱近く積んで僕は、ウホウホだったんです。

そんな僕をみて老人は、恵比寿様の様な福顔でニコニコしていました。

きずくといつの間にか、老人は消えていて僕も時間が迫っていたため玉を交換することにしたんです。

景品に変えてもらい老人を探すと老人の姿は、ありませんでした。

ここまでは、このサイトに載せる程の話しでは、無いのですが…

続きがあるんです…

入口を出かかった時「すいません!」と呼び止められました。

振り返るとそこには、パチンコ屋の店員が…

キョトンとする僕に店員は…

「お客さんちょっと事務所まで来てもらって良いですか?」

なんの事か解らず、唖然とする僕の周りは、いつの間にか店員が三人で囲っていた。

事務所に入ると専務取締役の人と、最初に声をかけてきた店員と三人になった。

専「おい!チェックしろ」

専務の命令で、店員が僕に、ボディーチェックをしてきた。

何がなんだか解らずただ、されるがままの僕に専務は。

「お客さん!何、仕込んでんの?」

意味の解らない僕。

店員が、ボディーチェックが終わり「専務何も出ません」と言うと。

専「お前はもおいい、ホール回っとけ」と言い店員は事務所を後にした。

僕「あの~僕、何かしました?」

僕の質問に専務は、ため息をついた後「これ!見てくれる」とモニターを見せてきた。

モニターには、僕が最初に座った台から出入口に向かって戻り、あの老人に教えてもらった台に座り、あっという間に30箱ちかくを積んでいく映像が高速再生で流れていた。

『で?何?』と心の中、思っていると。

専「おかしいでしょ?お客さんの行動が?」

頭の中が余計に?だらけになる僕に専務は、映像を通常再生に戻しボールペンで画面を挿しながら。

「ここ!これ何してるの?なんでキョロキョロしてるの?大体さぁ、一旦帰ろうとして戻ってきて誰も座って無い台選んで、あんなに出すのがおかしいわ!」

専務の言ってる意味が、全く解らない僕は「僕何か悪い事しましたか?一旦帰ろかと思ったけどおじいさんに教えてもらった台に座ったら…」

キレ気味に言う僕に専務は「おじいさん?おじいさん何処にいるの?でたらめ言ったらいかんよ」と画面をボールペンで叩きながら言ってきたんです。

画面に目を向ける僕…

映像内にあの老人は、映っていなかった…

僕「え!?あ、あれ?ここにたしか…」

専「おじいさんなんて映ってないよね!なんだ!アンタぁ薬でもやってるの!?」

何も言えず冷汗をかき、モニターの前で立ち尽くす僕。

あの時確かに僕の目に映り、肩を叩いてきてニコニコと恵比寿顔で微笑んでいた老人は、なんど見返しても映像には、映っていなかった。

結局僕は、証拠不十分で警察に突き出される事もなく、ただ納得のいかない専務取締役によって出入り禁止になり、ご丁寧に顔写真まで…

その後、店を後にする僕。

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店を出て納得いかないまま、駐車場に停めてある車に乗り込んだ。

ふと、窓の外を見ると店員が、僕の車のナンバーをメモしてる様子だった

『なんだよ…そこまでするか?』

疑問だらけの頭の中が怒りで充満してきた。

『納得いくまで話してやる!』

そう思い車から降りてもう一度、店内に向かったその時…

僕が向かった入口とは、違う入口からあの老人が出てくるのが見えた。

『やっぱりおじいさん居たんだ!』

一緒に事務所に行って説明をしてもらおうと思いおじいさんに駆け寄った。

僕「おじいさん…ちょっと…」

振り返る老人…僕は、台を教えもらったお礼を言った後、事情を説明しておじいさんにも事務所に行ってくれるよう話した。

老人は、無表情のまま僕の話しを聞き…「ちょっと待っとれ…」と僕をその場に残し店内へ戻って行った。

5分位待っただろうか?老人は、戻って来る気配は無い…

僕も店内に入る事にした。

老人を探していると老人は、僕に教えた台に最初と同じ様に座っていた…玉の入って無い台で…

「おじいさん!なにしてる…の?」

駆け寄って、パチンコ台のガラスに写ったおじいさんの顔を見て僕は、言葉を失った!

(怒)でいっぱいの老人の顔!同じ人とは、思えなかった。

しばらく動けず老人の後ろで、立っていた僕の肩を誰かが叩いた。

我に返り振り返ると小柄な厚化粧のおばさんが、立っていた

おばさんは僕に「善くないよ!」と言い僕の背中を押してきた。

おばさんに押されその場を離れ、出入口に向かった。

おばさんもついて来た。

おばさん「危ないよ」タバコに火を着けながらおばさんが言った。

僕「危ないって?何がです?」

僕の問におばさんは、鞄から名刺をだし「人じゃ無いよ!」

僕は、名刺を受け取り「え…どお言う事?」

理解の出来ない僕におばさんは。

お「あのおじいさんねぇこの世の人じゃ無いのよ~あなた、連れていかれるわよ」

「はぁ」と気の無い

返事をする僕の肩をおばさんは、ゴミを落とす様に左右三回ずつ叩き、僕の後ろに回って大きくバチン!と手を合わせた。

お「何かあったら電話してきなさい」

そお言い残し店内に戻って行った。

以上が僕が体験した不思議な経験です。

オチと言うオチは、無いですけど…

老人のガラスに写った顔と肩を叩かれた感触は、僕の脳裏に焼き付いています。

終わり

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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