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中編6
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納愚弄(なぐろ)様

ここ最近、体調を崩し

ヒマで、怖いサイトを

覗いて見て、

投稿してみようと思いました。長文、駄文で文才ないのは、

ご愛敬で…。

私は現在、検査入院のため数日の入院生活を送っています。

ただ、今回も原因不明という結果が、待っていると思います。

私は両耳の聴覚を失っています。

8歳の時です。

これまた原因不明との

ことです。

当時、8歳だった私は、K県の田舎にある実家で生活していました。

まだ時折、部落という言葉を耳にするような地域です。

私達 家族は、同じK県とはいえ、よそから移り住んできたものですから、 あまり、いい扱いは受けませんでした。

ただ、幼い私を可哀想に思ってか、いてもお菓子をくれたり、優しく接してくれる お婆さん(多映さんとします)が

いました。

当時、軽い苛めにあっていた私は、友達とはあそばず、いつも、

その多映さんの所に行っては、畑を手伝ったり、 昔話を聞かせて貰ったりしていました。

その日も、学校が終わり、私は、多映さんの家にいきました。

いつもなら この時間、 畑仕事をしている多映さんが畑にはおらず、

私は、少し離れた、

多映さんの家に行きました。

『多~映さんッ!』

俺は、呼び鈴を押すのも忘れ、戸を開けました。

中には誰もいません。

おかしいなぁ…と思っていたら、部屋の奥から

微かに人の話す声が

聞こえたので、

多映さんだと思った俺は、

『おじゃましますッ』

と言い、勝手に家に上がりました。

『多映さ~ん?』

読んでも返事はありません。

しかし、話し声は相変わらず部屋の奥から聞こえて来ます。

俺は普段、行ったことのない奥の部屋へ行ってみました。

奥の襖を開けると、

襖のすぐ後ろに、また襖があり、お札が何枚も貼ってありました。

話し声はそこから聞こえて来ますが、何を言っているのかまでは

聞き取れません。

幼かった俺は、初めてみたお札に、多少の恐怖を感じましたが、

もしかしたら、多映さんが体調を崩して、寝ているのかもと思い、

その襖を開けました。

多映さんの姿はありませんでした。部屋には家具が一切なく、でかい仏壇?のような祠のようなものが ひとつありました。

『ぼ…ん…け…て…』

その仏壇の中から、

とても優しく、蚊の泣くような声が聞こえて来ました。

何を言っているのか聞き取れず、私は仏壇の方へと近づきました。

部屋へ一歩、足を踏み入れた瞬間、

私は、恐怖のような、危機本能というか、

変な違和感を感じ、

一瞬、足を止めましたが、何かに魅いられたかのように、再び仏壇の方へと進みだしました。

仏壇の前までくると、 再び、か細い声が聞こえて来ました。

『ぼんや……ここを開けてはくれぬか……』

私の、本能は決して開けてはならないと言って訴えているのにもかかわらず、 身体は勝手に動き

仏壇の扉に手をかけました。

私は、意思とは反し、仏壇を開ける瞬間、目を瞑りました。

恐る恐る目を開けると、 中には、束ねた髪の毛が 入っていました。

すると 玄関の方から、 多映さんの声が聞こえてきました。

『しんちゃん(私)来てるんかぁ?』

私は、慌てて扉を閉めて 部屋を出ようとしましたが、多映さんが部屋の外まで来ており、

鬼気迫る表情で私に詰めよりました。

『しんちゃん!こげな所で、なんしちょっとかぁ…!?』

『いやぁ…声が聞こえて……多映さんがいると思って………』

『開けたんか…!?扉、開けとらんか……!?』

俺は、多映さんの、初めて見る表情に、怒られる と思ってしまい、

『開けとらんよ…』

と、嘘をついた…。

『よかった…よかったぁ……んなら…よかぁ…』

と言うと、多映さんは膝を着いて 泣き崩れた。

多映さんは、俺を部屋から出し、再び、

二重の襖を閉じると、

『今からお寺さん、行くでの!父ちゃん、母ちゃんには、ババから連絡しちょっで、よかか?』

俺は、意味がわからなかったが、多映さんに手をひかれ、寺に向かった。

あらかじめ連絡していたからか、 寺の入口には坊さんが待っていた。

『待っていましたよ。さぁ…こちらへどうぞ。』

40歳半ばの、優しそうなお坊さんでした。

中にはいると、

『話しは聞いています。部屋に入っただけで、扉は開けてはいないんですね?』

『しんちゃん、開けてなかっちゃろ?』

『……うん。』

俺は、なんか大事になっている事で、また嘘を言った。

『そうですか、いちを経をあげておきましょう。』

そう言われ俺は、

奥の部屋で、お祓いのような物を受け、

帰りに、お札が入ったお守りを貰った。

お守りを貰った俺が、

寺を出ると両親が迎えにきていた。

何かを謝ろうとしている 多映さんだったが、

『うちの子にかまわないでくれ!!』

という、両親の言葉に酷く落ち込んだ様子で、

ただ、深く頭を下げていた。

俺は、帰りの車中で、

『多映さんはわるくない!俺が勝手に入ったから…』と、多映さんの誤解を解こうとしたが、

『とにかく、あの家にはもう行くな!』

と言われた。

その日の晩、疲れていた俺は、少し早めに床に着いた。

御守りは、枕元に置いていた。

どれくらい経っただろう… ふと目が覚めた俺は、枕元の御守りに目が行った…

(………!?)

御守りは ズタズタになって、しかも火で焼かれたように黒くなっていた。 そして俺は、ある違和感に気付いた。

周りが静か過ぎる…

虫の泣く声も聞こえない…

その時、窓の外に気配を感じ、目線を向けた。

女が、笑っていた…

直ぐに目を反らしたが あの姿は忘れない。

髪はボサボサで長く、

皮膚は、何故か真っ赤で、 目は空洞のように真っ暗… 不気味に笑うだらしない口…

俺は、慌てて布団を被り しばらく震えていた…

そして気がついた…

シーツの擦れる音も聞こえない。

周りが静かなのではなく、俺の耳が聞こえないのだ。

翌日、俺は、両親に連れられて、病院へ行った。

原因不明と診断された。

鼓膜も正常で、特に異常は見られないと言われた。

両親も薄々、

俺の耳の原因は、

多映さん家で、遭遇したものが関係してると

思ったらしいが、

これ以上の事態の悪化を恐れ、関わる事を避けていた。

そして、あれからしばらくして、 多映さんは

自ら、家に火を放ち、一緒に焼かれ、命を経った。

しばらして俺は、

こっそり、寺に行き

坊さんに 話しを聞いた。

耳は聞こえないので、

紙に書いてもらって筆談してもらった。

あまり多くは話せないという事でしたが、

まとめると こう言う事でした。

名前は、納愚弄様とか納愚弄さんといい、

多映さんの家系は代々それを、管理していたらしく、それを 口外する事を禁じられ、

周りとの付き合いも疎遠になっていったそう。

寺は、相談役として、存在を知っていたが、

あの坊さんになってからは、 害を受けたものを見たのは俺がはじめてらしい。

坊さんも、 あれを直接払ったりはできないらしい。

俺が見た、真っ赤な女は、呪いの贄とされた者らしく、あの晩、

坊さんに渡された御守りがなかったら、 命も危なかったらしい。

俺が、扉を開けた事で、 あの女は自由になり、

再び人を呪う恐れがある。 年々 力は弱まってはいるが、あのズタボロの 御守りと、俺の耳の状況から、

十分に危険だそうだ。 多映さんは 後を継ぐはずだった、息子とも疎遠になっていたらしく、

自分がいなくなった後を 寺にお願いしていたらしい。

周りとの接触を極力避けるという、決まりを破り 俺を巻き込んでしまったと言う罪の意識から、

命を絶ったと。

坊さんからは、

なるべく忘れるように。 といわれたが、

正直、 あの姿は忘れられない。

そして 数年経って、

俺は、自分の命が

長いものではないと感じている。

最近、 外国人により、 寺荒らしや、仏像などの窃盗があるらしいが、 それによって、 あんな恐ろしいものが、

この世の中に 解き放たれてると思うと、

ゾッとしてしまう。

皆様も危険な好奇心はほどほどになさることを

オススメします。

サーバーとの繋がりは悪く、投稿にズレが出たり、長文、駄文 お許しください。

怖い話投稿:ホラーテラー みん焼さん  

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