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短編2
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殺人者

休日の午後、居間で寝てると玄関の呼び鈴がなった。

俺は重い頭をかかえながら玄関のドアを開けると、若い男がスッと中に入ってきた。

見知らぬ男だった。

ボサボサの髪に赤いTシャツ、古びたジーパンをはいたその若い男は、いきなり俺に謝り出した。

「あ、あの…す、すみません…す、すみませんでした…ほ、本当にごめんなさい…」

なるほど。

分かった。この男は家を間違えてるのだ。

そう思った俺は、男に言った。

「多分君は家を間違えてるんじゃないかな。俺は君を知らないし、会った事も無いんじゃないかなと…」

俺がそう言い終らないうちに、男は急に泣き出した。

そして俺をジッと見つめながら話出した。

「こ、この家で…間違いありません…

俺…さっき…この家に強盗にはいったんです…そ、そしたら…あんたに見つかって…

揉み合ってるうちに…あんた…机に頭をぶつけて…

た、倒れたんだ…

俺…俺…倒れたあんたの首を絞めて…

お、俺…あんた…こ、殺…たんだ…」

男は号泣していた。

強盗?

俺を殺した?

サッパリ話が飲み込め無かった。

だが、玄関に置いてある鏡にうつる自分を見て俺は驚愕とした。

俺の首には、ハッキリと人の手形が赤く浮かんでいたのだ。

多分こいつの言ってる事は本当なのだろう…

俺は頭をぶつけて、一時的に記憶が無くなっているのだ。

俺は男に言った。

「君が言ってる事が本当だとしたら、俺は君を警察に突出さなければならない。

立派な強盗犯だからな。君はそれを承知で、ここに戻ってきたのかい?」

男は泣くのを止めて、小さな声で呟いた。

「む、胸の痛みが取れないんです…

強盗と…さ、殺人は…ど、どちらが罪が重いんですか?」

「大丈夫。君は殺人者じゃないよ。」

俺がそう言うと、男はホッした顔になり、Tシャツの下に隠していた物を俺に突出して言った。

「良かった…

じゃあこれお返しします。」

それは血の付いた包丁だった…。

それを見て、俺は全てを思い出した。

そう…

こいつは強盗だった。俺の首を絞めてきた…

俺はそれを振り払い、台所にあった包丁で、こいつの胸を刺した…短い悲鳴をあげながら、こいつは包丁が刺さったまま玄関から逃げて行ったんだ…

男は呆然とする俺を、充血した目で睨み付けながら言った。

「俺は、あんたに、殺されたんだ。

これだけは伝えておきたくて…」

怖い話投稿:ホラーテラー ビー玉さん  

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